著者
野村 久光 テンシリリックン シラ 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.27-34, 2013-11-01

疑似乱数生成の研究は古くからあり,偏りのなさや周期の長さ,生成速度などの改良が進められてきた.Mersenne twisterなど最近の手法は数学的な意味で真の乱数に十分近いと言え,確率的最適化やモンテカルロ法などさまざまに応用されている.テレビゲームでも疑似乱数が必要になることは多く,例えばすごろくではサイコロの目をコンピュータが決めなければならない.このとき,出た目およびその系列によっては,プレイヤはそのサイコロの目が自分に都合の悪いようにコンピュータに操作されていると感じる.本稿では,数学的な意味で良い乱数と,標準的なゲームプレイヤにとっての自然な乱数は異なるという仮定をおき,どのような特徴を持たせれば自然に“見える”乱数が作れるのかを考察,実装する.被験者実験の結果,標準的な乱数よりも自然に見え,またすごろくで使ったときの不満が小さい乱数列を生成できていることを確認した. : The generation of pseudorandom numbers is a well-studied problem, and many results have been obtained in terms of the random distribution quality, the length of the generation period or the speed of the generator. Pseudorandom numbers generated by algorithms like Mersenne twister are close to real random numbers in a mathematical meaning, and they are widely used in many applications like optimization or Monte-Carlo methods. Pseudorandom numbers are also used in video games, for example to simulate a virtual dice, but it can happen that, for some sequences of numbers, the player will believe that the dice is biased against him. In this article, we investigate the possibility that randomness in a mathematical meaning is not necessarily the best way to produce a sequence of numbers that look random to the average player. We show with subject experiments that some specially crafted sequences of numbers will look more random to the players than a mathematical pseudorandom sequence, and that such sequences lead to less complaints about the virtual dice in a Japanese game of sugoroku.

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@Yjuniper https://t.co/wqiYgq0J0D 調べてたら出てきたのですがなかなか興味深い内容でした。
@topaz1082 ここでゲーム関連の乱数の論文を脈絡なく貼る https://t.co/auANcNyrbp
https://t.co/jHh58Qw2Rz ライトユーザーからヘビーユーザーまで不快感を感じず、納得できるツモ補正をつくる。本当に難しい。しかも、頭のおかしい私は色が偏らないと不満を感じると来てます。 ぶっちゃけ、誰もが不満を感じない補正なんて無理か。人の好みの問題で、絶対に誰かが犠牲になる。
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標準的なゲームプレイヤにとって自然に見える疑似乱数列の生成法 https://t.co/lYlNtqybHj この手の議論で、もはや恒例となった乱数についての論文>RT
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