- 著者
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生島 博之
- 出版者
- 愛知教育大学教育実践総合センター
- 雑誌
- 愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.259-267, 2006-03-15
本論文は,最近5年間あまりにおける少年犯罪を教育臨床心理学の観点から研究したものである。神戸小学生殺傷事件から始まり,黒磯女教師殺害事件,豊川主婦刺殺事件,西鉄高速バス乗っ取り事件,岡山県金属バット殴打・母親殺人事件,等を取り上げ,これらの少年が,犯罪に至るまでにどのような家庭教育や学校教育を受けてきたのか,規範意識が育たなかった,あるいは,規範意識が弱過ぎたのは何故なのか等について考察した。その結果,学校が少年犯罪の『舞台』とならないようにするためには,『怨み』を聞く回路づくりができる教師の実践的指導力が不可欠であり,研修やスーパービジョン制度やスクールカウンセラー(臨床心理上)や関係機関との連携が重要であることが判明した。