- 著者
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大木 裕子
- 出版者
- 京都産業大学マネジメント研究会
- 雑誌
- 京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.1-22, 2012-12
有田の陶磁器クラスターをポーターのダイヤモンド・モデルにより分析した.有田の製品は業務用食器が中心で,作家による芸術品とは明確な区別がされながら二極化している.有田では共販制度のために,産地問屋が資本力,組織力,信用力を組合に依存している構図となっており,集積には大資本もプロデュース力もない.他の産地は問屋だけがリスクテイカーだったが,有田は問屋もリスクを負わない仕組みとなっている.陶磁器産業では世界的にも有田のように300年以上の年月をかけ伝統が脈々と続いている産地は少ない.有田は分業体制の呪縛の中で,クラスターを存続させるための模索している.