著者
加藤 真紀 茶山 秀一 星越 明日香
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-05-24 (Released:2012-08-08)

本調査研究は、日本の大学生から大学教員への各段階における女性比率を分析した。まず1975年から2010年の間に日本の大学学部卒業者および大学院修了者に占める女性比率は増加していることが示された。多くの分野では教育段階が高いほど女子比率が低いが、工学と社会科学では学部と大学院での女性比率がほぼ等しい。これは大学院で留学生が増加するためである。我が国の博士課程修了直後に日本に滞在した者の進路を見ると、留学生は男女ともに大学においてポストドクターなどの仕事に就く率が一般学生よりも高く、留学生の男女間での差異は殆ど無いことが分かった。さらに疑似コホートを用いた分析によって、若い世代ほど改善しているとは言え、大学教員では職階が高いほど女性比率が低いことが示された。2007年度の日本人女性教員の離職率(定年退職を除いた値)は6.6%であり日本人男性よりも2.2%ポイント高いことから、女性が大学に勤務する上で男性と異なる隘路があると考えられる。

言及状況

はてなブックマーク (2 users, 2 posts)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

以前から、アカポスの女性枠は不当である、という声を聞くたびにモヤモヤしていた。が、今たまたま見た「日本の大学教員の女性比率に関する分析」( https://t.co/K13vkCjgZW )の21頁に、2006年度の新卒採用者と2005年度博士課程修了者の女性比率を

収集済み URL リスト