著者
鐘ヶ江 靖史 加藤 真紀 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-06-25 (Released:2012-08-08)

本報告書では、2010年度に実施した「博士課程修了者の進路と就職活動に関する調査」を基に、我が国の博士課程修了者の就職活動の実態を分析した。この結果、博士課程進学時は回答者(全回答者から論文博士、社会人学生および留学生を除いた一般学生(1,537名)のうち、博士課程在籍中に就職活動を実施した1,055名)のおよそ3人に1人は、博士課程進学時には国外機関を就職候補先の1つとして考えており、日本国内の機関については半数以上の回答者が複数の機関種別(教育機関(大学等)、民間企業、公的研究機関)を就職候補先として考えていたことが示された。ただし、実際の就職活動において国外機関に応募した者の割合はおよそ8人に1人程度にとどまり、複数の国内機関種別に対して応募した割合についても4人に1人程度であることが明らかとなった。また、教育機関(大学等)と民間企業では就職活動時期が異なり、就職活動期間の時間的な負荷は就職活動先によって差があることが示された。
著者
加藤 真紀 鐘ヶ江 靖史 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-03-08 (Released:2012-08-07)

本報告書では2010年度に実施した「博士課程修了者の進路と就職活動に関する調査」(有効回答数2,265人)を基に、我が国の博士課程修了者の大学院における修学と経済状況を分析した。この結果、国内学会に3回以上登壇した回答者の割合は8割近くであり、国外学会で1回以上発表した者は6割以上であることが示された。国外での研究経験がある回答者は2割であり、うち期間が1ヶ月以上である者が8割以上を占めた。分野別に見ると人文系や社会系は他分野よりも海外研究の期間が長い。一方、回答者のうち8割は国外研究をしておらず、この理由として必要性と時間の欠如を挙げている。また本調査回答者は米国の博士号取得者と比較して、大学院で学費を免除される人数比率が低く、最も多くの金額を利用した資金種別は自己資金である者が多い。また多くの回答者がTAやRAとして雇用されていたが、これで生活費や学費等を賄うには不十分な状況が示唆された。
著者
加藤 真紀 安藤 朝夫
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2013-07 (Released:2013-08-27)

近年、日本の研究力は低下しており、その原因の1つとして、質が高い(平均被引用数が多い)とされる国際共著論文数の増加率の低さが指摘されている。しかし、国際共著を行う場合の国の組み合わせに関係する要因や、国際共著論文の質の高さが何によってもたらされるのか、十分に解明されていない。そこで本分析はトムソンロイター社より提供されているWeb of Knowledgeから2種類のデータベースを作成し、これら課題の解明を計量的分析により試みた。この結果、NatureとScienceに発表された論文の分析からは、1) 2ヶ国共に研究開発投資が多く、留学生の交流が多く、EUに加盟している国間での国際共著が多いことや、2) 国際移動先に移動元より多くの研究者がおり、移動先と移動元の公用語の一致やEU加盟国同士の場合に、研究者の国際移動が多いことが示された。化学分野の論文データベースを用いた分析からは、国際共著論文数が多い研究者は、そうでない研究者よりも研究パフォーマンス(論文の数と平均被引用数)が高いことが示された。この傾向は日本、米国、英国、中国で共通である。
著者
加藤 真紀 茶山 秀一 星越 明日香
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-05-24 (Released:2012-08-08)

本調査研究は、日本の大学生から大学教員への各段階における女性比率を分析した。まず1975年から2010年の間に日本の大学学部卒業者および大学院修了者に占める女性比率は増加していることが示された。多くの分野では教育段階が高いほど女子比率が低いが、工学と社会科学では学部と大学院での女性比率がほぼ等しい。これは大学院で留学生が増加するためである。我が国の博士課程修了直後に日本に滞在した者の進路を見ると、留学生は男女ともに大学においてポストドクターなどの仕事に就く率が一般学生よりも高く、留学生の男女間での差異は殆ど無いことが分かった。さらに疑似コホートを用いた分析によって、若い世代ほど改善しているとは言え、大学教員では職階が高いほど女性比率が低いことが示された。2007年度の日本人女性教員の離職率(定年退職を除いた値)は6.6%であり日本人男性よりも2.2%ポイント高いことから、女性が大学に勤務する上で男性と異なる隘路があると考えられる。
著者
加藤 真紀 鐘ヶ江 靖史 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所
巻号頁・発行日
2012-12-25 (Released:2012-12-25)

本報告書は、大学院博士課程での研究指導の実態や課題の把握を目的とし2011年度に59大学を対象に年2回実施した調査の結果を取りまとめたものである(回答者数2,636人、有効回答率21.9%)。まず組織的に複数の教員から博士論文作成の日常的な指導を受けた者は約7割であり、彼らは研究能力を身につけたと考える割合や、大学院における満足度が高いことが明らかとなった。次に、自然科学系では人文・社会系よりも指導教員が博士論文のテーマ決定に積極的に関わることが示された。博士論文のテーマ決定に学生が積極的に関わる場合に、研究能力を身につけたと考える割合が多く、論文テーマの決定に指導教員が積極的に関わる場合に、サービスとしての大学院の満足度を高く評価する学生の割合が多い。また大学院(修士・博士)の授業のうち履修して良かったと思う授業が6割以上を占めると回答した学生は3割以下に留まることが示された。
著者
伊藤 智子 加藤 真紀 梶谷 みゆき 常松 さゆり 諸井 望 金築 真志 Tomoko ITO Maki KATO Miyuki KAJITANI Sayuri TSUNEMATSU Nozomu MOROI Masashi KANETSUKI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-34, 2008

2007年本紀要第1巻にて標記の第1報を報告した(伊藤、2007)。2008年は、特養で生活する高齢者のエンパワメントには、ケアスタッフの意識・行動が大きく関わつていると考え、前年度調査対象とした高齢者を担当するケアスタッフにケア意識に関する半構成的面接を行い、この2年間の調査結果を合わせて再度検討を行った。その結果、 1)特養入居受け入れ支援 2)生活の継続性を重視する意志の尊重 3)視聴覚機能を補うケア 4)家族とのほどよい距離感を感じるケア 5)馴染みの人との関係維持と新たな人間関係づくり支援 6)日常生活の中での役割づくり 7)落ち着く居場所づくり 8)看護職による疾病の管理の8点が明らかとなった。
著者
伊藤 智子 加藤 真紀 梶谷 みゆき 常松 さゆり 諸井 望 金築 真志 Tomoko ITO Maki KATO Miyuki KAJITANI Sayuri TSUNEMATSU Nozomu MOROI Masashi KANETSUKI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-58, 2007

生活の場が変化することでエンパワメントの維持が困難になりやすいと考えられている特別養護老人ホームで生活をする高齢者の施設入居前後の社会関連性の変化を把握した。そして、その変化の理由を本人へのインタビュー、家族への質問紙調査、施設内既存資料で得られた結果から事例検討により分析した。その結果、特養で生活する高齢者のエンパワメント支援として1.本人の施設入居受け入れ支援2.特養生活の中で役割を創る3.家族とのほどよい距離感を感じる支援4.本人の落ち着く居場所づくり5.視聴覚機能を補う支援の5点が明らかとなった。今後、事例別の結果を現在のケア内容と照らし合わせ、エンパワメントを支援するケアの改善が必要である。