著者
藤高 和輝 フジタカ カズキ Fujitaka Kazuki
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.73-87, 2014-03-31

ジュディス・バトラーにとって、スピノザは重要な思想家である。実際、バトラーは『ジェンダーをほどく』(2004年)で「スピノザのコナトゥスは私自身の作品の核心でありつづけている」(Butler 2004, 198)と述べている。それでは、いかなる意味でスピノザのコナトゥスはバトラーの哲学の「核心」にあるのか。本論文は、前回の論文「ジュディス・バトラーにおけるスピノザの行方(上)―「社会存在論」への道」に引き続きこの問題を考察するものであり、とりわけバトラーの「倫理学」に焦点を当てて探求するものである。私たちはこれらの考察の結果、バトラーの倫理学においてコナトゥスが基盤的な役割を担っていること、また、スピノザの徳がバトラーの考える倫理のモチーフのひとつであることを見出すことになるだろう。

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藤高和輝「ジュディス・バトラーにおけるスピノザの行方」 http://t.co/UNrsNSQubB

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