著者
内藤 隆夫
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.29-67, 2012-07-12

本稿では1980年代から90年代中期の石油政策について, 「安定供給」の追求から「安定的」かつ「効率的」な供給の追求への変化, という視点から詳細に考察した。本稿が対象とする時期の石油政策を対象とした歴史研究は, 管見の限りほとんど見出すことはできないが, その中で橘川武郎は, 1980年代後期から90年代中期までを「第一次規制緩和」期, 90年代中期から2000年代初頭までを「第二次規制緩和」期と規定している。しかしこの見方を強調した場合, 1980年代前期と, 80年代中期から90年代中期の固有の意義を軽視することになると考える。その意義とは, まず前者は第二次石油危機を経験した上で平時に戻った時期であるが故に, 何よりも石油の「安定供給」が追求された時期であり, 次に後者は規制緩和あるいはそれを通じた「効率的」供給という新たに浮上してきた目的と, 従来からの「安定供給」確保という目的とのせめぎ合いの中で, 両者に折り合いをつけるべく諸政策が実施された時期である, というものである。本稿では, こうした視角をもとに当該期の石油政策を考察した。

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【読んでる】内藤隆夫「1980年代から90年代中期の石油政策―「安定供給」から「安定的」かつ「効率的」供給へ」『經濟學研究』第62巻第1号(2012年7月)→http://t.co/vCXr3S6DXw

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