著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.41-57, 2017-06

研究成果の理解を助けるビジュアルデザインは,研究者にとり重要な位置を占めるようになった.しかし研究者自身によるビジュアルデザインは,煩雑でわかりにくく,審美性の低い場合が多い.そこで私たちは,研究者のために有用なビジュアルデザインのルールについて考察した.まず,研究者に即したビジュアルデザインのルール案を考案し,それを掲載したハンドブックを作成した.次に,これを研究者に配付し,彼らに対するアンケート調査を介して,提案ルール案の研究者にとっての有用性と問題点を検証した.その結果,有用と判明したのは,第1に「画面の構成方法」に関するルール,特に「視線の流れを意識する」,第2に「効果的な配色方法」に関するルール,特に「3色(メインカラー,アクセントカラー,無彩色)でキメる!」,第3に「PowerPointによる描画」に関するルール,特に『頂点の編集』をマスターする」であった.一方,有用性が低いとされたのは「グラフ・表・フローチャート」に関するルールで,改善の余地があるとわかった.配布ハンドブックは概ね評判が良く,国内の理系研究者に有用とわかった.学ぶ機会が少ないデザインの基本ルールと技術を学習できたため,「役立つ」実感を与えたと推察する.

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【資料】研究者のためのビジュアルデザイン : 「ビジュアルデザインハンドブック」の有用性 : HUSCAP https://t.co/DFFBWpdZjh
研究者のためのビジュアルデザイン : 「ビジュアルデザインハンドブック」の有用性 : HUSCAP https://t.co/NwTyaJ3oaO

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