著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_47-6_56, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
21

国内の研究者・技術者によるグラフデザインの実態を明らかにし、ビジュアルデザインの質を高めるための基礎的要件を抽出した。そのためアンケート調査を実施し209件分の回答を得た。その結果、多くがMicrosoft Excelを使用し(85%)、主に棒グラフ(75%)・折れ線グラフ(74%)・散布図(66%)をデザインしていた。グラフの主な利用媒体は、スライド(86%)、論文等の文書類(83%)で、専門性の高いグラフデザインが求められていると考えられた。そしてほとんどの研究者・技術者がグラフデザイン技術の向上は有益だと思っていたが(94%)、自身のグラフデザインに満足していないものも少なくなかった(41%)。また研究者・技術者は、わかりやすさ、学術的な正確さ、センス良く美しさが保証された、グラフデザインを学ぶためのWebサイト(67%)やガイドブック(62%)を望んでいることがわかった。特に大学生・大学院生を対象に向上技術を示すと効果的であることもわかった。
著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.41-57, 2017-06

研究成果の理解を助けるビジュアルデザインは,研究者にとり重要な位置を占めるようになった.しかし研究者自身によるビジュアルデザインは,煩雑でわかりにくく,審美性の低い場合が多い.そこで私たちは,研究者のために有用なビジュアルデザインのルールについて考察した.まず,研究者に即したビジュアルデザインのルール案を考案し,それを掲載したハンドブックを作成した.次に,これを研究者に配付し,彼らに対するアンケート調査を介して,提案ルール案の研究者にとっての有用性と問題点を検証した.その結果,有用と判明したのは,第1に「画面の構成方法」に関するルール,特に「視線の流れを意識する」,第2に「効果的な配色方法」に関するルール,特に「3色(メインカラー,アクセントカラー,無彩色)でキメる!」,第3に「PowerPointによる描画」に関するルール,特に『頂点の編集』をマスターする」であった.一方,有用性が低いとされたのは「グラフ・表・フローチャート」に関するルールで,改善の余地があるとわかった.配布ハンドブックは概ね評判が良く,国内の理系研究者に有用とわかった.学ぶ機会が少ないデザインの基本ルールと技術を学習できたため,「役立つ」実感を与えたと推察する.
著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション = Japanese journal of science communication (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
no.21, pp.41-57, 2017-06

研究成果の理解を助けるビジュアルデザインは,研究者にとり重要な位置を占めるようになった.しかし研究者自身によるビジュアルデザインは,煩雑でわかりにくく,審美性の低い場合が多い.そこで私たちは,研究者のために有用なビジュアルデザインのルールについて考察した.まず,研究者に即したビジュアルデザインのルール案を考案し,それを掲載したハンドブックを作成した.次に,これを研究者に配付し,彼らに対するアンケート調査を介して,提案ルール案の研究者にとっての有用性と問題点を検証した.その結果,有用と判明したのは,第1に「画面の構成方法」に関するルール,特に「視線の流れを意識する」,第2に「効果的な配色方法」に関するルール,特に「3色(メインカラー,アクセントカラー,無彩色)でキメる!」,第3に「PowerPointによる描画」に関するルール,特に『頂点の編集』をマスターする」であった.一方,有用性が低いとされたのは「グラフ・表・フローチャート」に関するルールで,改善の余地があるとわかった.配布ハンドブックは概ね評判が良く,国内の理系研究者に有用とわかった.学ぶ機会が少ないデザインの基本ルールと技術を学習できたため,「役立つ」実感を与えたと推察する.Visual designs aiding the understanding of research results are becoming important for researchers. However, many researchers use incomprehensible and unattractive visual designs, which is why we attempted to formulate effective visual design rules for researchers. First, we published handbooks that presented plans of these visual design rules. We distributed them to researchers in Japan and conducted surveys using questionnaires. We then inspected the effects and problems of these plans. Consequently, the most effective rules were about the "Layout," particularly the rule" Being Conscious of the Flow of the Eyes." The second most effective rules were about "Color Methods," particularly the rule "Deciding Three Colors (Main Color, Accent Color, and Neutral Color)." The rules about "Drawing using PowerPoint" were also effective, particularly the rule" Mastering Edit Points."
著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究者によるビジュアルデザインの質を高めるための基礎的要件を明らかにし、研究者によるビジュアル資料作成のための指針を構築するために、以下を行った。1)指針案を反映させた「科学者のためのビジュアルデザインハンドブック」(田中、2013)の有用性と問題点を検証するために、アンケート調査を実施した。そしてその回答を分析し考察した。2)PowerPointにおけるデフォルトの問題点を調査した。また指針案を、文献資料をもとに再確認した。さらに指針案の実際的効果も検証した。
著者
三輪 佳宏
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:挑戦的萌芽研究2010-2011
著者
三輪 佳宏
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(B)2009-2011