著者
濱田 国佑
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.138, pp.181-194, 2021-06-25

本稿では,大衆化が進んだ大学において民主主義的な価値観がどの程度育まれるのかについて検討を行った。具体的には「リベラル」の対をなす価値観として,「権威主義的態度」および「格差容認意識」の2つの価値意識を設定し,大学教育がこれらの意識に与える効果が1995年から2015年にかけてどのように変化したかを検討した。その結果,特に「権威主義的態度」において,時点間の差異が顕著であり,大学で学ぶことによって権威主義的態度を弱める効果,つまりリベラルな価値観を育む効果は失われつつあることが示唆された。また,1995年時点では,権威主義的態度に対する出身階層の負の影響が,大学教育を受けることで縮小していた。つまり大学教育を受けることで出身階層の高低にかかわらず,非権威主義的な態度が育まれていたのに対し,2015年時点においてこうした傾向は失われていた。

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[教養教育][民主主義][教育社会学] "大学教育を受けることで出身階層の高低に かかわらず,非権威主義的な態度が育まれていたのに対し,2015年時点におい てこうした傾向は失われていた"

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