著者
齊藤 実祥 原田 魁成 寒河江 雅彦 栁原 清子 Saito Misaki Harada Kaisei sagae masahiko Yanagihara Kiyoko
出版者
金沢大学大学院人間社会環境研究科
雑誌
人間社会環境研究 = Human and socio-environmental studies (ISSN:18815545)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-11, 2018-09-28

高齢化が進むにつれて医療・介護の需要と費用が増加することで,地域社会へ与える影響を経済的観点から分析を試みる。具体的には,石川県K市の家族介設者全貝を対象としたアンケート調査を行い.その結果に基づいて,家族介護者の介護離職・転職等の経済損失と貨金換算の推計を行う。また、K市産業連関表を用いた経済波及効果の推計を行う。なお、両推計ではモンテカルロ・シミュレーション分析を用いる。アンケート調査から,要介護・要支援者の平均年齢は83.5歳,家族介護者の平均年齢は64.9歳である。家族介護者の就労状況については,家族介護者の30.8%が介護離職・転職等しており、そのうち介護離職の割合は29.3%で.家族介護者全体の9.0%が介護離職していることが明らかに なった。推計の結果.有業者に対する介護離職・転職等の経済損失額は16.6億円で.介護離職のみでの 経済損失額は4.9低円であった。他方.無業者の介護労働の経済損失は.介護離職・転職等の対 象外となるため.介護労働時間を賃金換算することで推計を行った。無職・専業主婦の介護労働 時間の石川県最低賃金換算額は16.3億円で.石川県介護福祉士平均時給換算額は24.8億円であっ た。また,医療費と介護費の経済波及効果は2014年の433.7億円から2025年の522.5億円に増加する。 それに伴って,K市生産年齢人口における雇用誘発数も2014年の15%から2025年の22%に上昇する。そのため,医療・介護の連携による地域経済波及効果から発生する新たな雇用誘発による約 2,500人の雇用枠を活用し,家族介護者を柔軟に雇用する政策が地域包括ケアの新しい方策案として検討可能である。

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@MITTI12101 看護師ではないけど、介護職の離職による経済損失をモンテカルロシミュレーションで推定した類似論文がありますね https://t.co/7wwpoDM8Lq

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