著者
本池 祥子 佐久嶋 ひろみ 仲光廣晃 清野 正樹 寒河江 雅彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.40, pp.41-48, 2001-05-12

学校等での集合学習において、生徒一人ひとりの学習のペースやレベル、好み等の特質に合わせたマルチメディア学習環境を実現するために、「情報ランドセル」というコンセプトを提案する。今回、学習教材として小学生向けの英語教材を用意し、DVD-RAMによる「情報ランドセル」を実装して、岐阜市の小学4年生約120名を対象に実証実験を行ない、各生徒にとってよりふさわしい学習教材をより効率的に「情報ランドセル」上に配信する仕組を検証した。その結果、学習教材の必要度の差を利用して、バックグラウンドプロセスで配信する仕組を取り入れることで、生徒の学習を休止する影響をできるだけ小さくしながら、効率的に学習教材を配信できることが実証できた。The authors propose a concept of "Information Satchel", which provides a personalized learning environment for school children. Each "Information Satchel" acts as a personal container for learning materials adaptively selected for each child based on the status of learning such as progress, maturity, and interests. We implemented an experimental "Information Satchel" system using DVD-RAM, which selects appropriate learning materials and efficiently delivers them to each child. From the result of our system architecture evaluation, we confirmed, by downloading lea rning materials in a background process based on the necessity level of learning materials, the total cost of the delivery of learning materials could be reduced.
著者
玉森 祐矢 藤生 慎 高山 純一 西野 辰哉 寒河江 雅彦 柳原 清子 平子 紘平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.2, no.J2, pp.841-847, 2021 (Released:2021-11-17)
参考文献数
18

日本の少子高齢化は世界に類を見ない速度で進展しており,我が国の医療費は増加の一途をたどっている.このような状況が続けば,日本の医療保険制度の維持ができなくなる.また,日本では生活習慣病の急増を受け,「第4次国民健康づくり対策」が策定されている.現在,高血圧症や糖尿病といった生活習慣病が増加しており,そのような生活習慣病を早期発見する機会である特定健康診査受診率が伸び悩んでいることが課題となっている.そこで,本研究では,国保データベース(KDB)を用いて,まず,生活習慣病と健診回数の関係を示し,健診の効果を示唆する.また,生活環境との関連を調べるため,地域の現況や特性を考慮した分析を行い,健康課題・健診率の地域差を明らかにし,地域別の健康課題や健康な地域の特性について把握する.
著者
齊藤 実祥 原田 魁成 寒河江 雅彦 栁原 清子 Saito Misaki Harada Kaisei sagae masahiko Yanagihara Kiyoko
出版者
金沢大学大学院人間社会環境研究科
雑誌
人間社会環境研究 = Human and socio-environmental studies (ISSN:18815545)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-11, 2018-09-28

高齢化が進むにつれて医療・介護の需要と費用が増加することで,地域社会へ与える影響を経済的観点から分析を試みる。具体的には,石川県K市の家族介設者全貝を対象としたアンケート調査を行い.その結果に基づいて,家族介護者の介護離職・転職等の経済損失と貨金換算の推計を行う。また、K市産業連関表を用いた経済波及効果の推計を行う。なお、両推計ではモンテカルロ・シミュレーション分析を用いる。アンケート調査から,要介護・要支援者の平均年齢は83.5歳,家族介護者の平均年齢は64.9歳である。家族介護者の就労状況については,家族介護者の30.8%が介護離職・転職等しており、そのうち介護離職の割合は29.3%で.家族介護者全体の9.0%が介護離職していることが明らかに なった。推計の結果.有業者に対する介護離職・転職等の経済損失額は16.6億円で.介護離職のみでの 経済損失額は4.9低円であった。他方.無業者の介護労働の経済損失は.介護離職・転職等の対 象外となるため.介護労働時間を賃金換算することで推計を行った。無職・専業主婦の介護労働 時間の石川県最低賃金換算額は16.3億円で.石川県介護福祉士平均時給換算額は24.8億円であっ た。また,医療費と介護費の経済波及効果は2014年の433.7億円から2025年の522.5億円に増加する。 それに伴って,K市生産年齢人口における雇用誘発数も2014年の15%から2025年の22%に上昇する。そのため,医療・介護の連携による地域経済波及効果から発生する新たな雇用誘発による約 2,500人の雇用枠を活用し,家族介護者を柔軟に雇用する政策が地域包括ケアの新しい方策案として検討可能である。
著者
平子 紘平 森崎 裕磨 藤生 慎 高山 純一 柳原 清子 西野 辰哉 寒河江 雅彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_41-I_51, 2018 (Released:2019-02-19)
参考文献数
18

東北地方太平洋沖地震において,高齢者や障がい者の被害も甚大であったことから,避難行動要支援者の名簿作成が各自治体に義務付けられた.一方,熊本地震において,庁舎の被災等により,名簿が活用できない事例が発生し,平時より避難行動要支援者の精緻な支援計画策定が重要視されている.本研究ではArc GISのNetwork Analystツールの到達圏解析を用い,道路ネットワークを考慮し,避難行動要支援者の避難施設へ到達可能性の検証を行った.本研究では,我が国における超高齢化に伴い,人数が莫大に増加している後期高齢者に着目し,中でも特に避難にケアを必要とする自宅に居住する要介護認定者を分析対象者とした.到達圏解析の結果,要介護認定者の避難時の実態と何人の要支援者が避難所まで到達できない可能性を持つのか,詳細な把握を行うことが可能となった.