著者
大畠 誠一 鬼石 長作
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.51-57, 1974-12-14

長野県木曽御岳山で, 森林限界付近に成立するシラビソ天然林の樹形と生産力を調べた。冬期に雪の吹きだまりとなるこの地域のシラビソは長野県下の他の地域のシラビソに比べるとズングリした形をもち, 幹の形は座屈荷重に対して強い形となっていた。林分の現存量は地上部分で35. 5 - 135. 4t/haと推定され, 葉量は4. 2 - 13. 2t/haと推定された (表1)。また葉, 枝, 幹の生産量はそれぞれ0. 75 - 2. 48t/ha・yr, 0. 11 - 0. 37t/ha・yr, 0. 32 - 1. 10t/ha・yrと推定された (表2)。このシラビソ林は他のシラビソ林に比べて著しく生産量が低く, 一定葉量当りの生産量も低い値をもっていた。また, 生産された物質は特に生産器官 (葉) に多く配分されていた。

言及状況

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御岳山の中腹にある田ノ原湿原を調べている。この湿原の過去の写真や様子を書いたものを見たい。何回かあった御岳の噴火、遥拝所の建設、湿原周辺の木道設置など、湿原に影響があったであろう頃のものがあれば良いのだが…。

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