著者
松本 隆 マツモト タカシ Takashi MATSUMOTO
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.35, pp.271-286, 2014-03

1874年に翻訳出版された化学入門書『ものわり の はしご』の語彙、特に巻頭の用語解説付録「ことば の さだめ」の見出し項目を分析した。本書は、漢字と漢語を廃し、化学的な現象や物質名を含め、全文を平仮名の和語で訳しており、その語彙分析から主な特徴として次の3点を見出した。(1)和語による造語は、それまでの漢字を用いた造語の流れを汲んでおり、和語でも体系的で簡明な命名が可能である。(2)類義関係にある和語動詞群を使い分けることにより、混同しやすい類似の化学現象を区別して表現できる。(3)漢語よりも和語の方が、現実世界の事象を巧みに言語に写像し命名した例も見られる。つまり本書は、近代の西洋思想を和語で表現し、論旨の通った文章を平仮名で表記できることを、化学の分野で世に示した先駆的実践ということができる。

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この用語が定着した世界線だと、韓国語で水素수소は多分물뿌리になる https://t.co/jbiAa4wk8D https://t.co/Ny0a0MCpTT
@bisucoparadise 『ものわりのはしご』解説書 PDFが 見つかりました。 https://t.co/qPWrbokpIo
@nozakitakehide 『星界の紋章』とは関係ありませんが,1874年刊行の化学入門書『ものわり の はしご また の な せいみ の てびき』(清水卯三郎 訳)では,一部の例外をのぞき,漢字や漢語を用いずに和語のひらがな文で書かれています。 ex 水素→みづね 窒素→むせびね 酸素→すいね https://t.co/wCShR7eGSi

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