著者
小島 大輔
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学教育基盤センター紀要 = The Journal of Nagasaki International University Center for Fundamental Education (ISSN:24338109)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.91-101, 2018-03

本稿では、『学習指導要領社会科編(Ⅱ)(第七学年~第十学年)(試案)』で示された中学校第1学年の単元「われわれは余暇をうまく利用するには、どうしたらよいだろうか」(以下「余暇利用」単元)について、問題設定と社会機能の視点から検討し、以下のことを明らかにした。「余暇利用」単元の設置には、アメリカのレクリエーション運動が影響したヴァージニア・プランが反映された。一方、日本における戦後のレクリエーション運動は、「余暇善用論」の展開の一つであり、レクリエーションとの対比で余暇が問題化されていった。この「余暇善用」を前提とした余暇の規範化と、その方法としてのレクリエーションの普及という背景から、「余暇利用」単元が、本来的に自由な時間である余暇が、レクリエーションとしてすべて「社会生活の主要機能」に帰属させられる短絡的な展開になっていた。

言及状況

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1947年の学習指導要領には中1の社会科に「余暇利用」についての単元があったらしい|小島大輔 (2018) 「初期社会科における「余暇」観に関する一考察 ―問題設定とその社会機能の視点から―」 https://t.co/9ri2D1AfX0

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