著者
舘野 由香理
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1-21, 2012-03-01

中国語の音節構造はIMVF/Tで示されるのに対し、日本語はCVのような単純な開音節構造であるため、中国語原音を日本語に受け入れる際に、様々な問題が発生した。韻尾のうち、入声音は原則的に狭母音をつけて開音節化させたが、唇内入声音の受け入れ方は複雑である。例えば、「習シュウ(シフ)」のように語尾が「-ウ(-フ)」となるもの、「湿シツ」のように「-ツ」となるもの、「雑ゾウ(ザフ)・ザツ」のように「-ウ(-フ)」と「-ツ」の2通りあるものの3パターンの写され方が存在する。このうち「-ツ」は特殊であり、これは無声子音の前で起きた促音によるものとされる。小論では、現代漢語における唇内入声音の促音化について分析し、それをもとに歴史的実態についても推測する。合わせて、字音(漢字の音)と語音(漢語の音)の関係を明らかにしたい。

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国語改革来60年以上、平成22年常用字改定まで表内音は「ジュウ」のみだったからね。しかし「ジッ」「ジュッ」の追加理由の段で行くと加へて好ささうな方言「ズウ」「ズッ」は「認められていない」。 <QT『「十」には「-ツ」の形(「ジツ」)が字音として認められていない。』 https://t.co/MNzKjiQjV2
現代日本漢語における 唇内入声音の促音化について https://t.co/DxRPOYUYdr

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