著者
柴田 武男
雑誌
聖学院大学論叢 = The Journal of Seigakuin University (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.第29巻, no.第1号, pp.47-60, 2016-10

戦時下日本で行われた国家的奨学金制度設立の議論でまず問われたのが,貸与制か給付制かであった。国家が必要とする人材の確保には給費が当然であるという意見もあったが,退けられた。給費は国家財政上ほとんど不可能だが,貸費によれば国庫の負担は少ない。したがって,多数の学生に必要額を貸費できるという財政上の理由が大きかったが,子どもの教育は,親の責任においてなさるべきであり,我が国独自の美風に立脚したとされる家族主義が思想的背景としてあった。

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貸与制奨学金の思想的源流 : 大日本育英会創設の議論から https://t.co/B1FrnbcHuG 何とか「天皇制」の責任にしたいリベラルですら、論文ではこう書かざるを得ないくらい、最大の理由は「財政事情」である。 大蔵・財務省の意向として給付したくないので屁理屈を捻りだしているだけだ。
承前 参照: 貸与制奨学金の思想的源流 : 大日本育英会創設の 議論から  柴田武男 https://t.co/qrt59O45Mm 植木庚子郎 Wiki https://t.co/ZHbCowhHul
ところで、日本育英会って、学徒出陣と少なからず関係があるんだね。これ面白い。 https://t.co/MjdhPHK7ul

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