著者
小川 功
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-29, 2019-01

鉄道網が拡大する明治20年代から明治30年代までの私鉄勃興時代に、特定の企業や信仰を背景とせず、旅館業者同士の緩やかな結合による共済組織で「定宿帳」(同盟旅館の名簿類)を発刊した「一新講社」と「大日本旅館改良組」の形成過程を分析した。さらに同種の「日本同盟大旅館会本部」が刊行した時刻表『旅行独案内』と「全国漫遊の独案内とも云つべき有益雑誌」の『大旅館雑誌 旅客之楽園』の内容をごく少数の残存号を発掘して紹介した。明治31年10月発行した創刊号は一ヵ月前同一団体で創刊した時刻表の姉妹編ないし別冊特集といった性格を有する。鉄道に関する特異なまでの詳述傾向は『大旅館雑誌』発行所主事・赤井直道「漫遊者大中居士の実地視察感悟に因て起稿」した個人的嗜好によるものと判断した。最後に『大旅館雑誌』に掲載された「大旅館」がどのような旅館であったのかを数量的に検証し、京都・奈良・金沢の古都等での掲載旅館群のその後の栄枯盛衰の軌跡を探索した。

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「熱心ナル旅館改善主義者ニシテ、客ヲ遇スル誠実」と評された仙台の有力旅館主。松島の大宮司雅之輔などと連携し、旅館の改良、旅行団体の組織、回遊列車の運行等を創始・実践 https://t.co/aYF2qjTEMZ ※仙台振興のため仙台駅を宮城野原から城下東端に変更させたのにも関係? https://t.co/NWo8n4PPOD

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