著者
宗臺 秀明
出版者
鶴見大学
雑誌
鶴見大学紀要. 第4部, 人文・社会・自然科学篇 = The bulletin of Tsurumi University. Pt. 4, Studies in humanities, social and natural sciences (ISSN:03898032)
巻号頁・発行日
no.55, pp.191-223, 2018-02

中世都市鎌倉の諸遺跡から出土する「かわらけ」には、古代末の土師質土器の系譜を引くと思われるロクロ成形のものと、京都から伝播したと考えられている手づくね成形の 2 系統がある。その「かわらけ」をめぐっては編年案が複数提示されているが、それぞれにロクロ成形「かわらけ」の成立と手づくねの導入年代が異なり、またその変遷の画期についても若干の異同がある。本稿では中世鎌倉出土「かわらけ」の編年とともに、「かわらけ」の名称に込められた非日常性について京都や平泉出土「かわらけ」との比較から探り、その背景にある中世社会の推移について考察することを目的とする。そのため、鎌倉をはじめ京都と平泉での研究史から論点を導き出した。今回は、土師質土器系譜の「かわらけ」と以後の「かわらけ」をどのように見極めるべきか、そして京都からの手づくね「かわらけ」の導入背景の考察にあたっては、受け入れ側の意図、すなわち京都「かわらけ」のどの部分を重要視したのかという認知論的視点が必要であるとの見解にいたった。こうした視点をもとに、次回は編年を組み立てながら考察を進めることとする。

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