著者
伊藤 高史 Takashi Ito
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.138, pp.21-40, 2021-09-30

本稿は,筆者が別稿で検討した,メディア文化についての社会システム論的分析枠組みを実証研究に応用するものである。そのことによって,大衆文化としてのメディア文化において創造性が発揮されるメカニズムを社会システムの観点から明らかにするとともに,筆者が提示した分析枠組みの有効性を検証する。分析対象とするのは,今日に至るまで活躍するスター歌手森高千里であり,彼女が1980年代後半にデビューし,スターとしての大衆的認知を得る1990年代はじめまでの時期に焦点を当てる。彼女は文化産業システムによって敷かれた路線を従順に歩むアイドルとしてデビューさせられたが,スタッフの協力を得て独自の世界を切り開いていった。彼女の振る舞いを「キワモノ」「アイドルのパロディ」として解釈する「解釈共同体」が成立し,彼女に唯一無二の地位を与えていった。彼女がスターとしての大衆的認知を得る過程が示しているのは,社会システム論が示唆する通り,様々な社会システムが交差し相互作用する中での葛藤や協働が,資本主義社会のメディア文化に創造性をもたらしていることである。

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公開論文 同志社大学社会学会 伊藤 高史 社会システム論的分析枠組みによるスター歌手森高 千里の大衆的認知獲得過程の分析 : 理論モデルの 実証研究への応用の試みとして 森高千里について、もっと沢山の研究がされるべきだと思います。まだ数が少ないと思う。 https://t.co/zbVF6xmBF6
私も大学でこういう研究をしてみたい https://t.co/X9mEOokJYi https://t.co/UN2fm0FvTI
伊藤高史(2021)「社会システム論的分析枠組みによるスター歌手森高千里の大衆的認知獲得過程の分析:理論モデルの実証研究への応用の試みとして」『評論・社会科学(同志社科大学社会学会)』 https://t.co/iIVxxFqYKI

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