著者
林 葉子 Yoko Hayashi
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The Social Science(The Social Sciences) (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.31-55, 2021-11-30

本稿は,1900年以降に全国的に大流行したストライキ節(東雲節)に関する史料の検証を通じて,娼妓や芸妓にとっての自由廃業運動の意義について考察するものである。本稿では,ストライキ節の発祥地が東京であったことや,演歌師ではなく娼妓や芸妓らがストライキ節の流行の主要な担い手であったことを明らかにし,流行唄に表現された遊廓内の女性たちの性の自由を求める思いが,自由廃業運動を根底で支えた原動力だったと論じた。

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"ストライキ節の特徴は,恋の相手である「主(ぬし)」との関係性が唄の中心テーマとなっていることである。小せんの作った唄には「惚たお方」が登場し,自由廃業も,その二人が「思ひおもふて」したことであり,「屑拾ひ」も「ぬしと二人で」する行為として描かれている" https://t.co/vhuv0FfSL7
"娼妓や芸妓らが性の自由を求めた声は,「下劣なるもの」と時に軽蔑されながらも,花柳界だけでなく広く社会に浸透していった。自由廃業運動が全国に広まったのは,その基底に,解放の当事者である女性たちの声が響いていたからだと考えられる" https://t.co/vhuv0FfkVz
"表現された遊廓内の女性たちの思いは,公娼制度の差別性に対する廃娼運動家らの義憤やその背後にあったキリスト教信仰とは性質を異にしていたが,他者から強制される性的関係を厭い,自らが真に望む関係性を生きたいと願ったその思いこそが,唄に乗せて全国へと伝えた" https://t.co/vhuv0FfSL7
"自由廃業の当事者である娼妓や芸妓たちこそが,その自由廃業の意味を実感として知っていたのであり,流行したのは,娼妓や芸妓の「自然の聲」であった。ストライキ節の流行は,男性演歌師の歴史としてではなく,第一に,遊廓内の女性たちの創作活動の歴史として捉えられる" https://t.co/vhuv0FfSL7
"二本木,人吉,牛深,大牟田などの熊本周辺の各地から,遊廓内での出来事や思いを表現した女性たちの唄が『九州日日新聞』に投稿され続けた。遊廓内では少なからぬ女性たちが作詞をしていたと考えられる" https://t.co/vhuv0FfSL7

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