- 著者
-
河崎 吉紀
Yoshinori Kawasaki
- 出版者
- 同志社大学社会学会
- 雑誌
- 評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
- 巻号頁・発行日
- no.141, pp.1-30, 2022-05-31
本稿は,1921年から1923年における憲政会の政治活動を,総務である関和知を例に,メディア・パフォーマンスの観点から捉えることを目的とする。与党である政友会を不名誉な多数と批判して衆議院を騒然とさせた関和知は,加藤友三郎内閣に対し,日支郵便約定で政府の過失を疑い,軍艦天城建造の不正を追及,内閣不信任案を提出して「弾劾演説家」と報じられるようになった。メディアを通して政党のプレゼンスを大衆に確保することは,普通選挙を目前に控えたパフォーマンスとして冷静な戦術であるように見える。なぜなら,臨時法制審議会では派手な演説ではなく,理性的な討論が行われ,普通選挙法案の実質が検討されるからである。