著者
樋口 陽一
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.5-30, 2002-12-20
著者
沢田 愛子
出版者
上智大学人間学会
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p225-236, 1991
著者
中村 友太郎
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.3-4, 2007
著者
佐々木 隆
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.99-124, 2006-12-20

ルイスのナルニア物語を注釈し紹介を試みた。いくら勧めても、説明しても、読まない、読めない学生がいる。本を読ませること、本を読むことに対して反省することになった。教育者であったルイスは読書をどのように考えていたのか。彼の書いた「批評における実験」という文芸評論についての論文をもとに、人間にとって本を読むこととは何かを考えた。ルイスによれば、読者は大きく分けて非文学的な多数者と文学的な少数者に分けられる。これは真理を求めて授業を聞く学生と、ただ、就職のための単位が欲しいだけで、授業の内容自体には全く関心を持っていない学生との関係に似ている。彼はよい本を読むのがよき読者であると言う通説を逆転させ、読者にしかるべきよい読み方をさせる本が良い本であることを論証したが、同じようによき授業もまた、学生のよき受講態度から評価されなければならないが、そこでは、実用を超えた価値への探究へと共に歩むように多数の学生を啓蒙する指導がなされなければならないのである。
著者
桝田 絢子
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.49-77, 2006-12-20

「人間学」では、人間とは何かをさまざまな側面を通して学んでいく。人間学がなかった時、人々はどのようにして人間のあり方を考えたのだろう、という問いかけにこの論文は発している。宗教、慣習、神話、伝説とある人類の遺産から、特に身近にある昔話に焦点を絞り、その中でも、世界的に読まれ続けている『グリム童話集』を取り上げた。この『童話集』の価値がどこにあり、なぜ、ここまで、永きに渡って読まれているのかを、今回は、昔話を蒐集し、編纂したグリム兄弟の生い立ちと業績から考察した。ヤーコブとヴィルヘルムがまだ少年時代、父の死による、母と六人兄弟という困窮生活で、父親に代わって一家を受けとめ、伯母や恩師、仲間に助けられて世界的な学者となって前進してゆく姿は、昔話に登場する一番下の子供が冒険に勝利を収めていく姿を髣髴とさせる。彼らの生き方そのものが『童話集』に集められた話には満載されている。そればかりでなく、兄弟の学識の広さと深さと徹底性が、彼らの『童話集』を類まれな古典とした。