著者
重松 恒信 大塩 敏樹
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.185-189, 1960 (Released:2013-05-17)
参考文献数
3

A clay mineral, greensand, was used as an ion exchanger for the collection of cesium or the removal of radioactive cesium in sea water. Cesium was quantitatively absorbed on a greensand column from volumes of sea water up to 350 times the volume of the column, when sea water was passed through at a specific velocity of about 7. By the use of the solution of 12% acetic acid and 12% ammonium acetate as elluant, 82% of cesium absorbed on the column was recovered in the effluent.
著者
藤巻 正生
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.101-105, 1960 (Released:2013-05-17)
参考文献数
4
著者
蒲池 崇
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.150-153, 1963 (Released:2013-05-17)
参考文献数
8
被引用文献数
1

食塩水の味について, パネルによる官能検査を行い, 弁別閾, 刺戟閾および男女別による塩から味に対する感覚の差異について実験を行い, 次の結果を得た.1. 食塩水の弁別閾については, 食塩水の濃度の大きいところでは弁別閾も大きく, 濃度の小さい所では弁別閾も小さい. 下弁別閾は上弁別閾より鋭敏であつた. また, 食塩水濃度と弁別閾は直線的な関係である.2. 食塩水の刺戟閾は, 蒸留水と対比して味わつた場合と, 単独に味わつた場合とでは, やや異り, 蒸留水と対比した場合は0.05%の食塩水で溶質の存在を感, 知しているが, はつきり塩からいとは感じない. 食塩水を単独に味わつた場合は0.05%では塩から味を感じないで, 刺戟閾は0.113%の所にあると判定された.3. 塩から味に対する男女の感覚では有意水準99%にとつた場合には有意差はないが, 有意水準を98%にとった場合, 有意と判定されたので, 塩から味に対する感覚は女性の方が, わずかに鋭敏であるらしいといえよう.
著者
杉山 幹雄
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.128-136, 1961 (Released:2013-05-17)
参考文献数
7

(1) 各種無機塩類の単独飽和溶液の組成および蒸気圧に関する既存のデータについて調査した結果, 一般的な関係が存在することを知り, この知見に基ずいて混合飽和溶液の組成と蒸気圧に関する数ケの仮定を立てて検討した. 実験は湿度を測定する間接的な方法であり, 簡便な装置を考案して用いた. 実験誤差は全データについて±2%以内である.(2) 各種無機塩類の単独飽和溶液における蒸気圧降下ΔPn (mmHg, 脚符号nは塩の種類を示す. 以下同様) とイオン濃度ZnCn (Cnはモル濃度mol/1,000 molH2O, Znは1分子当りのイオン数) の間には温度をt (℃) とすると, 多少の例外はあるが次の関係がある.ΔPn=b・10aZnσna=-0.0000320t+0.00565b=0.0130・100.00734t・Psただし, Psはt℃における飽和蒸気圧 (mmHg) である.(3) 無機塩類の混合飽和溶液の蒸気圧降下についてはダルトンの分圧の法則に類似した理論が成立する. すなわち, 蒸気圧降下ΔP (mmHg) は各塩の蒸気圧に関する分降下ΔP'n (mmHg) の和に等しく, 式で表わすとΔP=ΣΔP'nである. ただし, 上式においてΔP'n=C'n・ΔNnであつて, C'nは混合飽和溶液中における各塩のモル濃度であり, ΔNnは各塩の蒸気圧に関する分子降下であつて下式により求められる.ΔNn=ΔPn/CnΔPnのtに対する変化は前述のとおりであるから, ΔNn, ΔP'n, ΔPのtに対する変化も全く同様である.(4) 食塩その他の無機塩類の結晶において不純分がその吸放湿性におよぼす影響は, 従来定性的にばくぜんと表わされていたにすぎないが, これを各塩の蒸気圧に関する分子降下という形で定量的に表現することができた. 希薄な水溶液においては蒸気圧降下は溶質の種類に関係なく濃度により定まるが, 飽和溶液においては各塩に特有な蒸気圧降下作用, すなわち分子降下がある. これはイオンの水和現象に関する考察により解釈することができる.(5) 食塩の表面は食塩を液底体の一部とする食塩と不純分との混合飽和溶液の薄膜で覆われていると見なされるので, 本報の理論により食塩表面の呈する蒸気圧, 吸放湿速度等は不純分組成と水分から求められ, また外囲の湿度変化に応じた食塩の溶解析出量および吸放湿量等を不純分組成から算出することもできる.本報の理論は食塩以外の無機塩類の結晶に対しても適用できることは明らかである. 本報の理論による固結現象の定量的解析は続報において行なう予定である.
著者
清水 和雄 尾方 昇
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-19, 1962 (Released:2013-05-17)
参考文献数
14
被引用文献数
1

It was reported in the previous literatures that molybdenum, vanadium and uranium contained in sea water are concentrated in bittern. Therefore, we conducted the present study for the purpose of gathering these constituents from bittern by adsorption of ferric hydroxide. This paper gives data on adsorption curves obtained by experiments which were conducted to find the relationship between pH and adsorption ratio. Optimum pH of adsorption was 3 to 4 in molybdenum, 3 to 7 in vanadium and above 6 in uranium respectively, but only adsorption pH of uranium changed in case of co-existence with carbonate ion, and it adsorbed with pH 7 to 8 in this case.In addition, this paper gives data on desorption curves for water extraction from adsorbent obtained by experiments which were conducted to find the relationship between pH and desorption ratio. pH of desorption was above 4 in molybdenum, above 7 in vanadium and below 6 in uranium repectively, as pH becomes the higher, desorption of molybdenum and vanadium becomes more complete. Desorption of uranium was done above pH 9 in case of Co-existence with carbonate ion, These results showed a possibility of seprating molybdenum, vanadium and uranium from each other by application of adsorption and desorption. It was also possible to separate molybdenum from vanadium by application of anion exchange column.Moreover, the methods of determining vanadium by N-benzoyl-N-phenyl-hydroxylamine and uranium by 1, 2-pyridylazo-2-naphthol were checked and improved, and these methods were applied to bittern and others with good results.
著者
原田 武夫 武本 長昭
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.311-315, 1958 (Released:2013-05-17)
参考文献数
9

pH of sea water, brine and bittern decrease with increasing their concentration. From unusual low pH of the concentrated MgCl2 solution, relations between pH and MgCl2 concentration of sea water, brine and bittern were studied. Neutralization curves of MgCl2 and MgSO4 solution were obtained, and pH of the solutions of those salts were determined at various concentration. Effects of Mg(OH)2, HCl and NaHCO3 on pH the MgCl2 soluion were also estimated. Factors on which pH of sea water, brine and bittern depend were partly discussed.
著者
山辺 武郎
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.137-145, 1961 (Released:2013-05-17)
参考文献数
29
著者
綾井 政雄
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.232-243, 1965 (Released:2013-05-17)
参考文献数
22
著者
杉山 幹雄
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.128-136, 1961

(1) 各種無機塩類の単独飽和溶液の組成および蒸気圧に関する既存のデータについて調査した結果, 一般的な関係が存在することを知り, この知見に基ずいて混合飽和溶液の組成と蒸気圧に関する数ケの仮定を立てて検討した. 実験は湿度を測定する間接的な方法であり, 簡便な装置を考案して用いた. 実験誤差は全データについて±2%以内である.<BR>(2) 各種無機塩類の単独飽和溶液における蒸気圧降下ΔPn (mmHg, 脚符号nは塩の種類を示す. 以下同様) とイオン濃度ZnCn (Cnはモル濃度mol/1,000 molH<SUB>2</SUB>O, Znは1分子当りのイオン数) の間には温度をt (℃) とすると, 多少の例外はあるが次の関係がある.<BR>ΔPn=b・10<SUP>a<I>Z</I></SUP><SUB><I>n</I></SUB>σ<SUB><I>n</I></SUB><BR>a=-0.0000320t+0.00565<BR>b=0.0130・10<SUP>0.00734<I>t</I></SUP>・Ps<BR>ただし, Psはt℃における飽和蒸気圧 (mmHg) である.<BR>(3) 無機塩類の混合飽和溶液の蒸気圧降下についてはダルトンの分圧の法則に類似した理論が成立する. すなわち, 蒸気圧降下ΔP (mmHg) は各塩の蒸気圧に関する分降下ΔP'n (mmHg) の和に等しく, 式で表わすと<BR>ΔP=ΣΔP'n<BR>である. ただし, 上式において<BR>ΔP'n=C'n・ΔNn<BR>であつて, C'nは混合飽和溶液中における各塩のモル濃度であり, ΔNnは各塩の蒸気圧に関する分子降下であつて下式により求められる.<BR>ΔNn=ΔPn/Cn<BR>ΔPnのtに対する変化は前述のとおりであるから, ΔNn, ΔP'n, ΔPのtに対する変化も全く同様である.<BR>(4) 食塩その他の無機塩類の結晶において不純分がその吸放湿性におよぼす影響は, 従来定性的にばくぜんと表わされていたにすぎないが, これを各塩の蒸気圧に関する分子降下という形で定量的に表現することができた. 希薄な水溶液においては蒸気圧降下は溶質の種類に関係なく濃度により定まるが, 飽和溶液においては各塩に特有な蒸気圧降下作用, すなわち分子降下がある. これはイオンの水和現象に関する考察により解釈することができる.<BR>(5) 食塩の表面は食塩を液底体の一部とする食塩と不純分との混合飽和溶液の薄膜で覆われていると見なされるので, 本報の理論により食塩表面の呈する蒸気圧, 吸放湿速度等は不純分組成と水分から求められ, また外囲の湿度変化に応じた食塩の溶解析出量および吸放湿量等を不純分組成から算出することもできる.<BR>本報の理論は食塩以外の無機塩類の結晶に対しても適用できることは明らかである. 本報の理論による固結現象の定量的解析は続報において行なう予定である.
著者
岡 宗次郎
出版者
日本海水学会
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.103-107, 1954 (Released:2013-05-17)

1 0 0 0 防災堤防

著者
近藤 泰夫
出版者
The Society of Sea Water Science, Japan
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.137-153, 1955

昭和21年12月21日の土佐沖地震を起因とする地盤沈下の問題が中国及び四国の海岸に関係する各種構造物に対して重大な影響を与えたので、学術振興会を始め建設省中国四国地力建設局その他の各種機関を通じて、沈下の調査とその対策について研究が行われた。学振第33特別委員会第4分科会 (塩田) 及び四国地方地盤沈下調査委員会の塩田部会において、塩田外堤の現状、対策、維持管理等について行つた調査はこれである。<BR>昭和28年9月25日台風13号は愛知三重両県下の海岸堤防に莫大な災害を与えたので、その後旧計画について建設省関係各機関の協力によつて斬新な理論的考察がなされた、その一部を本講に紹介する。<BR>最後に昭和29年9月13日台風12号及び同年9月26日台風15号が香川県下に与えた災害及びその後旧対策について言及したい。
著者
江川 勉 田淵 重造
出版者
The Society of Sea Water Science, Japan
雑誌
日本塩学会誌 (ISSN:03695646)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.171-179, 1960

食塩中の硫酸根の定量法として, EDTAによる迅速分析法の改良について, 実験を行った.<BR>1. 前報における負誤差の原因を検討した結果, 硫酸バリウムの析出が不完全であることが最大原因であると推定した.<BR>2. この推定に基づいて, 沈殿の生成を完全にするために, 常温反応で生成した硫酸バリウムを, 5分間熟成させた後, 50%メチルアルコール10ccを添加することによつて, 短時間に反応を完結させ, 分析所要時間を約15分に短縮できた. 硫酸イオンの含有量が微量の場合には, 液量およびアルコール添加量を変える必要がある.<BR>3. 本方法の分析誤差は, 硫酸イオン約10mgを含む試料溶液において, 0.86%以下であつた.<BR>4. 海塩関係の各試料についても, 十分適用できることを認めた.