著者
畑中 悦子 芳賀 みづえ
出版者
釧路短期大学
雑誌
釧路短期大学紀要 (ISSN:03858456)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.39-48, 1997-02

釧路市内の公・私立保育園児を対象に,昼食の喫食主食量や食生活状況の実態を知り,今後の栄養指導の基礎的資料とする目的で,喫食主食量秤量調査およびその父母にアンケート調査を実施した。得られた結果は以下の通りである。1)米飯摂取量は3歳〜5歳児全体で87.8gであり,基準量に対し約37%下回っていた。加齢により多くなる傾向があったものの個人差が大きかった。2)喫食主食量の減少に伴い,食品構成より算出された栄養量では,穀類エネルギー比の減少,たんぱく質および脂肪エネルギー比の上昇がみられた。特に脂肪エネルギー比は適正範囲を越えていた。3)起床就寝時刻の年齢による差はみられず,保育園による有意差がみられた。4)早く寝る園児は早く起き,遅く寝る園児は遅く起きる傾向が示唆された。5)兄弟無しおよび兄姉のみがいる園児は,弟妹のいる園児に比べ就寝時刻が遅い傾向があった。6)朝食の欠食は週1〜2回が約10%であった。7)朝起きてから朝食までの時間の最頻値は,10〜20分であった。また,起床時間が遅いと朝食までの時間が短く,食欲があまりない率が高かった。8) 6:30以前に起床する園児は「朝食まで」および「朝食後保育園まで」の間食頻度が高く,10:00以降に寝る園児は「夕食後」の間食頻度が高かった。9)朝食の食欲は,兄弟のいない園児にあまり食欲がない率が,兄姉のみの園児は食欲がある率が高く,兄弟の影響が示唆された。10)献立表に対する関心は高くよく見られていた。見る理由は「家庭での料理の重複を避ける」が最頻であった。
著者
鈴木 美枝
出版者
釧路短期大学
雑誌
釧路短期大学紀要 (ISSN:03858456)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-9, 1999-02-26

フィギュアスケート競技北海道指定強化選手を対象に,合宿時に身体状況・疲労の自覚症状しらべ,食習慣等に関するアンケート調査を行った.これらの調査から以下に示すような結果を得た.1)身体状況は身長・体重・BMIともに第五次改定日本人の栄養所要量体位推計基準値を下回っていたが,体脂肪率は「やせ」該当者が皆無であり,一般人並の値であった.特に高校生女子でBMI・体脂肪率の高い者が多かった.肺活量はほぼ標準値,血圧は正常値ではあるが低めの値であった.2)自覚症状の総訴え率の平均は34.4%であり,合宿開始時と1・2日目就寝前で高く,2日目昼食後と合宿終了時で低かった.I群では「ねむい」,「足がだるい」,「横になりたい」,II群では「根気がなくなる」,「物事が気になる」,III群では「肩がこる」,「腰がいたい」の訴えが多かった.3)非疲労群に比べ疲労群でBMIが有意に高かった.4)ダイエットについては女子全員が「太っていると思う」,「減量したい」と回答し,男女間に有意差が認められた.理想体重から算出したBMIは,男子で18以上20未満,女子で16以上18未満に該当する者がそれぞれ半数を占め,正常群に比べやせ群で有意に低い値を示した.5)食習慣・食嗜好については,全員が果物を「好き」と回答し,魚介類を嫌う者が約3割みられた.清涼飲料の摂取について男子で「よく飲む」,女子で「たまに飲む」の回答が最も多く,それぞれ約8割を占め有意差が認められた.なお,疲労状況,身体状況と食習慣・食嗜好との間で有意差は認められなかった.
著者
鈴木 美枝 坂本 恵
出版者
釧路短期大学
雑誌
釧路短期大学紀要 (ISSN:03858456)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.29-38, 1997-02

釧路の女子フィギュアスケーターについて,栄養素等摂取状況・身体状況・生活リズム調査を行った。これらの調査から以下に示すような結果を得た。1)栄養素等摂取状況は,休暇中に比べ学期中の方が所要量を充たしている者が多かった。特に昼食での摂取量について多くの項目に両期間での差がみられた。両期間とも鉄・食物繊維・食品数が不足傾向にあり,脂肪エネルギー比が高く,穀類エネルギー比が低かった。2)食品群別摂取状況は,両期間を比較すると休暇中で菓子類・嗜好飲料・加工食品,学期中でいも・種実・豆・魚介・肉・乳・野菜・果実類が多く摂取されていた。特に昼食での摂取量について多くの項目に両期間での差がみられた。3)身体状況は,ローレル指数での評価が両期間ともに普通であり,学期中の体脂肪率は24.3±2.9%と女子スポーツ選手としては高めの値であった。4)生活リズムは,トレーニング時間,睡眠時間ともに休暇中の方が有意に高かった。夕食摂取時刻がトレーニング時刻に左右され,16時台〜22時台とかなりばらつきがみられた。
著者
鈴木 美枝
出版者
釧路短期大学
雑誌
釧路短期大学紀要 (ISSN:03858456)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.13-25, 1994-12

北海道のフィギュアスケート選手について,栄養摂取状況・身体状況・生活リズム調査,食生活およびトレーニング等に関するアンケート調査を行った。これらの調査から,以下に示すような結果を得た。1)栄養摂取状況調査におけるトレーニング期の食事は個人差があるが,全体の平均値ではエネルギー・カルシウム・鉄が不足傾向にあった。栄養素等比率では脂肪エネルギー比・動物性脂肪比が高く,穀類エネルギー比・緑黄色野菜比がかなり低かった。また,各食のエネルギー比は男子について朝食比が低く夕食比が高かった。食品品目数は目標の30品目に達した者が1/3もいなかった。2)身体状況は,男女ともに身長・体重が全国平均を下回っていた。安静時血圧については全国平均とはぼ同値であった。3)トレーニング期の平均トレーニング時間は119.5±52.8分,平均睡眠時間は462.5±59.3分であった。4)アンケート調査から朝食の欠食者はほとんどみられず,牛乳摂取頻度は高いが緑黄色・淡色野菜の摂取頻度は低かった。間食でよく食ベる物としてスナック菓子類,キャラメル・あめ・チョコレート類が多くあげられ改善が必要である。栄養補助食品の利用や試合前・当日に常食する食品がある者はあまりみられなかった。果物の摂取頻度が比較的高く,好きな食べ物のトップに果物があげられた。5)氷上トレーニングは週3回以上実施している者が約8割で所有級が高いほど練習量が多かった。陸上トレーニングは実施頻度が低かった。6)減量については,約3割の選手が経験しており,方法は間食・夜食を控える,痩せることを目的に運動をする等であった。怪我については約1/4の選手が経験しており,部位は足首・膝等の下肢が多く,年齢・所有級が高くなるにつれて多かった。7)起床時刻は7時,就寝時刻は22時・23時が多かった。健康に対する自信があまりない者が約2割であり,不定愁訴は約3割の選手にみられた。内容は疲れやすい・風邪をひきやすい等であり,特に中学生に目立っていた。8)勝つための食事管理の必要性を感じている選手は約半数であり,栄養・コンディショニングに対する関心度の低さが伺えた。