著者
佐藤 清隆
出版者
駿台史学会
雑誌
駿台史學 = Sundai historical review : the journal of the Historico-Geographical Association of Meiji University (ISSN:05625955)
巻号頁・発行日
no.148, pp.19-48, 2013-03

1984年6月,インド中央政府軍がパンジャーブ地方のアムリトサルにあるシク寺院「ゴールデン・テンプル」を襲撃し,数多くの死傷者を出した。その後,シクによるヒンドゥーへの報復活動や暴動がインド各地で発生した。さらに,同年10月には,当時のインド首相インディラ・ガンディーがシクによって暗殺され,その報復活動のなかで数多くのシクが殺害され。そして,これら一連の政治的大惨事による影響は,インド圏内だけでなく,イギリ,カナダ,アメリカ合衆国などのインド、系移民コミュニティの世界にまで及んでいたのである。本稿は,この移民コミュニティへの影響を問題とする。