著者
堀内 朗 牧野 敏之 梶山 雅史
出版者
日本メディカルセンター
巻号頁・発行日
pp.577-581, 2015-04-20

当院におけるプロポフォールを用いた診断目的の消化管内視鏡検査の鎮静法は,翼状針を上肢に留置後,年齢に基づいて決定した初期投与量をボーラス投与している.体動や舌の動きが消失しないときや嘔吐反射や体動が出現した場合は,1回20~40mgずつ追加投与して十分な鎮静を得る.呼吸抑制がマスクされるおそれがあるため,酸素はSpO2が90%以下に低下したときのみ投与している.細径スコープを使用するとプロポフォールの投与量が少ない傾向にあるので有用である.検査後,看護師との会話が可能で5m程度の歩行が問題ない状態をフルリカバリーと判断している.プロポフォール投与総量が200mg以下の場合,検査終了1 時間後には自動車を運転して安全に帰宅可能な状態に回復する(駒ヶ根プロポフォール鎮静法).
著者
山形 拓 平澤 大 大平 哲也 原田 喜博 前田 有紀 野田 裕
出版者
日本メディカルセンター
巻号頁・発行日
pp.583-588, 2015-04-20

近年,内視鏡鎮静に関してプロポフォールの有用性,安全性が報告されている.プロポフォールは,半減期がきわめて短いため持続投与が可能であり,それゆえ鎮静深度を一定に保つことが容易である.この特性は長時間の安全で安定した鎮静を要するESDには非常に有用である.本稿では,当センターにおけるプロポフォール鎮静方法を紹介する.また,プロポフォール鎮静時の問題点を述べる.第一に,鎮静時の代表的偶発症である呼吸循環抑制の頻度をミダゾラムと比較した.第二に,プロポフォールでも鎮静困難となる場合があり,その要因についても検討した.
著者
森 健作
出版者
日本メディカルセンター
雑誌
臨牀消化器内科 (ISSN:0911601X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.1159-1163, 2014-06-20

RFA前後の造影CTの比較による従来の焼灼マージン評価は,主観的で不正確であり局所再発の原因となる.SPIOを投与してからRFAを行って3日後以降のT2強調画像では,焼灼マージンが低信号帯として抽出される.焼灼マージンの状態(AM-plus,AM-zero,AM-minus)を客観的に評価することで,局所再発の危険性を正確に予測できる.