著者
門馬 久美子 前田 有紀 梶原 有史 森口 義亮 酒井 駿 野間 絵梨子 高尾 公美 田畑 宏樹 門阪 真知子 鈴木 邦士 千葉 哲磨 三浦 昭順 堀口 慎一郎 比島 恒和
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.530-543, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント・スクリーニング検査時に,良性腫瘍に関する予備知識があれば,腫瘍発見時の対応,適切な方法での組織採取が行える.・内視鏡検査にて隆起性病変を認めた場合は,存在部位,形態,表面性状,色調,硬さ,透光性,可動性,大きさ,個数,びらんや潰瘍形成の有無などを観察し,必要があればEUSの所見も加え,質的診断を行う.・最終的には,病理組織学的な診断が必要であるが,上皮が滑って生検しにくい場合は,ボーリング生検あるいはEUS-FNABにて,腫瘍本体を採取する.特に,2cmを超える腫瘍では良悪性の鑑別が必要である.・画像だけでは診断できないGIST,平滑筋腫,神経鞘腫の鑑別には,c-kit・desmin・S-100蛋白の3種類の免疫組織化学的検査が必要である.
著者
義山 麻衣 大西 知子 前田 有紀 荒川 丈夫 飯塚 敏郎 小泉 浩一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.76-78, 2020-12-18 (Released:2021-01-08)
参考文献数
4
被引用文献数
2 1

A 73-year-old man was admitted with vomiting and left costal pain.He had undergone pylorus-preserving gastrectomy with B-1 reconstruction and was recently eating many persimmons. Physical examination revealed tenderness in the upper abdomen and left-side ribs. Abdominal CT showed a mass containing air in the gastroduodenal anastomosis. Esophagogastroduodenoscopy revealed a bezoar of about 10 cm in diameter in the remnant stomach. It was difficult to crush the bezoar with a grasping forceps and snare. Coca-Cola was locally injected, which softened the bezoar. We could then crush the bezoar with the grasping forceps and snare, and removed the bezoar. Oral administration or nasogastric lavage of Coca-Cola were reported as treatments for bezoars. In our case, the treatment time of a bezoar was significantly shortened by local injection of Coca-Cola and the bezoar could be treated with a small amount of Coca-Cola compared with that in previous reports.
著者
山形 拓 平澤 大 大平 哲也 原田 喜博 前田 有紀 野田 裕
出版者
日本メディカルセンター
巻号頁・発行日
pp.583-588, 2015-04-20

近年,内視鏡鎮静に関してプロポフォールの有用性,安全性が報告されている.プロポフォールは,半減期がきわめて短いため持続投与が可能であり,それゆえ鎮静深度を一定に保つことが容易である.この特性は長時間の安全で安定した鎮静を要するESDには非常に有用である.本稿では,当センターにおけるプロポフォール鎮静方法を紹介する.また,プロポフォール鎮静時の問題点を述べる.第一に,鎮静時の代表的偶発症である呼吸循環抑制の頻度をミダゾラムと比較した.第二に,プロポフォールでも鎮静困難となる場合があり,その要因についても検討した.
著者
山形 拓 平澤 大 藤田 直孝 尾花 貴志 菅原 俊樹 大平 哲也 原田 善博 前田 有紀 小池 良樹 鈴木 憲次郎 山本 康央 日下 順 田中 恵 野田 裕
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.2211-2219, 2014 (Released:2014-07-29)
参考文献数
20

【目的】Barrett腺癌は正常扁平上皮下へ側方進展することがあり,癌が表層に露出していないため内視鏡による範囲診断が困難となる.Barrett腺癌の扁平上皮下進展部の内視鏡的特徴を明らかとし,その範囲診断に酢酸撒布法が有用であるかを検証することを目的とした.【対象と方法】当センターで内視鏡切除したBarrett腺癌25例を対象とした.扁平上皮下進展の存在と進展範囲を病理学的に検討した.その後,Barrett腺癌の扁平上皮下進展部の内視鏡画像をReviewし,その同領域の内視鏡的特徴および出現頻度を検討した.【結果】Barrett腺癌25例中10例(40%)に扁平上皮下進展を認めた.扁平上皮下進展部の内視鏡所見は,白色光では淡い発赤,扁平隆起,NBIでは淡い茶褐色を呈していた.扁平上皮下進展部に1.5%酢酸を撒布すると,小孔,小白斑,溝状の構造が観察され,この所見をSmall White Signsと呼称した.上述の所見によるBarrett腺癌の扁平上皮下進展部の範囲診断正診率は白色光50%,NBI 43%,酢酸撒布法100%であった.【結語】Barrett腺癌の扁平上皮化進展部の内視鏡診断に酢酸撒布法は有用であった.