- 著者
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下山 進
野田 裕子
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.12, pp.1015-1021, 2000-12-05
- 被引用文献数
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3
4
セラミックスで密封した粒状のアメリシウム(^<241>Am)を樹脂で環状(厚さ3 mm×外径φ18 mm×内径φ12 mm)に成形した放射線強度1.85 MBqの線源(AET Technology, 重量: 0.5 g, 検出器側船遮蔽材を含め26 g), この線源から放出される放射線を大気中において試料に照射し, 試料から発生する二次X線を線源の中央(環状線源の中央空洞部)から検出する小型電子冷却式シリコン半導体X線検出器(Amptek XR 100 CR, 重量: 142 g), 検出器と接続するプリアンプ(Amptek PX2CR, 重量: 1387 g), そして小型マルチチャンネル波高分析器(Amptek PMCA 8000A, 重量: 240 g)を用いて, 総重量約1800 gの簡易携帯型蛍光X線分析装置を組み立てた. そして, この装置を用いて1682年に奉納された絵馬「羅生門図」の青の彩色に使用された着色料について非破壊分析を行った. その結果, この着色料はCa, Fe, Co, Ni, Asを主成分元素として含む"スマルト"であることが明らかとなった.