著者
櫻井 義秀
出版者
北海道印度哲学仏教学会
雑誌
印度哲学仏教学 (ISSN:09128816)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.245-275, 2004-10

本稿では、東北タイの開発僧と呼ばれる僧侶の社会開発実践を紹介する。その際、宗教が社会制度や社会運動として、社会形成に貢献する条件を一般的な開発論と、タイの社会史的コンテキストの中で考察する。一章では20世紀後半のグローバリゼーションと反グローバリゼーションの運動をテロリズムの背景を探るという形で、社会階層論から説明を試みる。二章において、宗教が社会形成に果たす機能を考察するために、社会開発論における文化的な社会資本論について言及し、宗教制度が社会資本になりうる可能性を論じる。三章は、タイの上座仏教全体について説明し、開発僧に関わる先行研究の議論を紹介した上で、本稿のハイライトである開発僧の事例を筆者の調査研究の知見から説明する。