著者
MIGITA Takashi MITSUZONO Ryouichi KOMIYA Shuichi
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学保健体育センター研究紀要 (ISSN:09198679)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.9-14, 1998-07-01

本研究の目的は,伝統的な健康補助食品である濃縮チキンスープ(ブランズ・エッセンス・オブチキン,以下BEC)飲用の陸上長距離走選手の合宿鍛錬期における身体的および精神的疲労の軽減に及ぼす影響を検討することであった。被験者は十分に持久的トレーニングを積んだ32名の男子大学生であった。身体的特性および競技成績が同等になるようにBEC飲用群(n=16)とプラセボ飲用群(n=16)に分けられ,合宿期間中の朝食前と夕食前に各被検物を1瓶(70ml)ずつ飲んだ。合宿前および合宿最終日に血液サンプルが採取され,以下の項目が測定された;Hb,血清鉄,TIBC,フェリチン,CK,LDH,GOT,GPT,Mb,LP0,テストステロン。また,合宿の前後で質問紙法による精神的疲労度の測定(POMS)も行われた。合宿期間の総走行距離は,通常のトレーニング時の約2倍に相当し,両群の血液測定項目は合宿後に身体的疲労度を示す傾向にあった。しかし、BECおよびプラセボの群間に差は認められなかった。POMS の結果は,BEC飲用群の合宿後にネガティブな尺度の減少,ポジティブな尺度の増加傾向を示し,プラセボ飲用群の合宿後にネガティブな尺度の増加,ポジティブな尺度の低下傾向を示した。以上のことより,本研究の合宿鍛錬期におけるBEC飲用の身体的疲労に対する軽減効果は確認出来なかったが,BEC飲用の精神的ストレスに対する軽減効果の可能性は示唆された。
著者
古園井 昌喜
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学保健体育センター研究紀要 (ISSN:09198679)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.33-37, 1996-09-01

1930年(昭和5年)10月,八幡製鐵所野球チーム一行17名は台北市政施行10周年記念行事の一環としての野球大会に招聘された。主催は台北野球同好会,斡旋は大阪毎日新聞社。当時,北九州地方では1918年に門司鉄道局,同20年中島鑛業所,同24年八幡製鐵所が,それぞれ自社のシンボル的存在としての機能性を期待し野球部を発足させている。3社ともに総従業員約30,000人の大企業である。特に,八幡・門司両野球部は,満州,朝鮮,台湾にしばしば遠征しているが,それに関わる資料は極めて少なく,今後の解明が待たれる。その一端として,今回は八幡製鐵所野球部史の台湾遠征記事を中心に,その内容を報告する。これは,日・台間の野球交流の史的補填を意味すると考える。
著者
川中 健太郎 樋口 満 勝田 茂
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学保健体育センター研究紀要 (ISSN:09198679)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-8, 1995-04-01

It is considered that exercise is benefical to prevention and cure for diabetes. As this reason, we will give three phenomena. First, acute exercise promotes glucose transport in skeletal muscle independent of insulin action. Second, insulin sensitivity for glucose transport is amplified in exercised muscle. Third, exercise training improves glucose transport capacity in skeletal muscle. In this article, we will give an outline of the mechanism in these phenomena.