著者
藤田 壮 盛岡 通 徳永 拓
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-53, 2000

日本の都市では高度経済成長期に建造された膨大な建設ストックが, 21世紀の前半に一斉に更新の時期を迎える.それに伴う膨大な建設廃棄物の循環利用は, 新規資源の希少化や最終処分場の社会的コスト上昇のもとで緊急の課題となる.本研究では建設構造物の主要資材であるコンクリートをとりあげ, 建設廃コンクリートのリサイクルパスのフレームを示すとともに, 国土スケールの建設物資材のマテリアルフロー分析を通じて, 現状の社会システム下でのコンクリート廃棄物のリサイクル特性を明らかにする.さらに大阪市を対象に, 都市と地区単位で分散型の廃コンクリートの循環利用を実現することによる環境負荷削減効果を試算し, それにもとつく政策設計への知見を示す.
著者
村野 昭人 藤田 壮 盛岡 通 小岩 真之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.347-354, 2001

日本では, 高度成長期に建設された大量の都市構造物の解体に伴い, 21世紀前半には建設廃棄物が大量に発生することが予想されている. さらに, 最終処分場の用地不足や天然資源の希少化が経済活動の制約になると考えられており, 都市構造物の建設や廃棄に伴い発生する環境負荷を制御することが, 緊急の社会要請となっている. 本研究では, まず製品連鎖マネジメントの概念に基づき, 都市構造物をマネジメントする政策オプションの整理を行った. 次に, 政策オプションの導入効果を評価するためのシステムを構築した.最後に, 政策オプションを組み合わせることによって政策シナリオを作成し, 各シナリオの環境負荷削減効果について国土を対象としたケーススタディ評価を行った.
著者
団 朋希 近藤 隆二郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.411-418, 2004

本研究では、ちんどん屋の街頭宣伝において、ちんどん屋と街の人々とのコミュニケーションに着目し調査を行った。調査ではちんどん屋を追跡調査し、街廻りの様子をビデオに記録した。ビデオを元に街廻りでの出来事を地図に描き、分析を行った。分析結果からちんどん屋と街の人々とのコミュニケーションを「ついてくる型」、「応答型」、「目を配る型」、「引き寄せ型」、「声かけ型」の5類型にまとめることができた。場所によって見られる類型やその出現数に違いがあり、ちんどん屋は場所の様子を読み取り、街頭宣伝を行っていることがわかった。
著者
片谷 教孝 重岡 久美子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.179-188, 2003-10-24 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

悪臭公害に対する行政の対応は、住民からの苦情発生を起点としているため、苦情発生要因を把握することが的確な行政遂行上不可欠である。本研究では、悪臭苦情がどのような要因に基づいて発生しているのかを把握することを目的として、毎年行政によって集計されている悪臭苦情件数データを社会統計学的にさまざまな角度から分析した。その結果、苦情件数の地域による違いや時間的変化は、悪臭発生施設の分布だけでなく、県民気質などの多くの要因によっていることが示された。