著者
清水 盛生 内藤 均 佐原 宏典 Shimizu Morio Naito Hitoshi Sahara Hironori
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所資料 = Technical Memorandum of National Aerospace Laboratory (ISSN:1347460X)
巻号頁・発行日
vol.769, 2003-03

本資料では、当所において1985年頃から実施された太陽熱スラスタの試作研究について述べる。当初はステンレス鋼を材料とした習作スラスタであり、加熱・噴射試験結果も平凡で、比推力500〜600秒級であった。次段階では物質・材料研究機構が日本および米国の特許を有する単結晶モリブデン材を採用して、超小型(外径約6mm)から大型(外径65mm)までの各種サイズのスラスタの試作・太陽集光加熱・推進剤噴射試験を実施した。この材料では推進剤温度2,300K、比推力800秒が期待できる。これが本資料の主要部である。さらに究極の材料として単結晶タングステンを採用して、比推力1,000秒級に対応可能なスラスタを試作して予備実験を実施した。このスラスタはアポジおよびペリジでの噴射が可能な対向型で、この型の試作・実験結果の発表は世界初と思われる。
著者
種村 利春 末松 俊二 佐藤 直樹 HSFDフェーズ1 NAL/NASDA実験隊 NAL/NASDA HOPE研究共同チーム Tanemura Toshiharu Suematsu Shunji Sato Naoki NAL/NASDA HSFD-Phase 1 Experiment Team NAL/NASDA HOPE Team
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所資料 = Technical Memorandum of National Aerospace Laboratory (ISSN:1347460X)
巻号頁・発行日
vol.780, 2003-08

航空宇宙技術研究所(NAL)と宇宙開発事業団(NASDA)は将来の再使用宇宙輸送システム研究開発の一環として有翼往還機の進入・着陸システムの評価・実証および自律飛行技術の蓄積を目的とした高速飛行実証フェーズ1、飛行実験を2002年8月から12月にキリバス共和国クリスマス島において実施した。本報告はこの飛行実験実施に伴うNAL、NASDA、メーカーおよびキリバス共和国関係者を含めた実施協力体制および実験実施環境整備などについてまとめたものである。
著者
村上 哲 渡辺 安 藤原 仁志 Murakami Akira Watanabe Yasushi Fujiwara Hitoshi
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所資料 = Technical Memorandum of National Aerospace Laboratory (ISSN:1347460X)
巻号頁・発行日
vol.774, 2003-06

航空宇宙技術研究所が開発を進めているジェットエンジンを搭載した小型超音速実験機(ジェット実験機)には、マッハ2までの飛行速度で作動する2次元外部圧縮型可変形状超音速インテークを搭載する予定としている。ジェット実験機の推進システム性能予測およびインテーク可変制御開発に必要なインテーク空力特性を取得するために、ジェット実験機第2次形状超音速インテーク(C313形状)の19.2%縮尺模型を用いた単体空力特性取得試験を航空宇宙技術研究所の遷音速風洞および超音速風洞においてマッハ0.6〜2.1の範囲で実施した。ジェット実験機の推進システム性能予測およびインテーク可変制御開発に必要なインテーク空力特性データを取得するとともに、風洞試験で得られた空力特性がCFD解析により事前に予測した特性と概ね一致し、設計目標を満足した。また、マッハ1.3以上においては低流量側でバズが発生し、特にマッハ1.8以上の高マッハ域においてはFerri型不安定によるバズ発生のためインテークの安定作動余裕が小さいことが判明したが、適切な超音速ランプ可変制御および抽気制御によりインテークの安定作動域を改善できる。さらに抽気プレナム圧力比は本試験条件の範囲においては第2ランプ角や抽気条件による影響は小さく、インテークの作動状態を適切に示すパラメタとなることを確認した。インテーク入口部における横流れの影響については横流れ偏角4度までの範囲において、試験を行った何れのマッハ数においても大きな空力性能の劣化は見られず、良好な特性を示した。