著者
今野 洋子 尾形 良子
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学生涯学習システム学部研究紀要 = Bulletin of Hokusho University School of Lifelong Learning Support Systems (ISSN:18827675)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.151-163, 2010

国際的動向に比べ,日本において動物介在教育は普及していない現状にある。本研究では,2003年度より,立教女学院小学校で学校犬バディによって推進されている「動物介在教育(AAE)」について概観し,「動物介在教育(AAE)」の日本の学校教育における推進の可能性について検討することを目的とした。学校犬バディの誕生の契機,学校犬の条件,バディ・ウォーカーの活動,バディとの学校生活,保護者の反応,いのちのつながり等の視点から,バディによる「動物介在教育(AAE)」をみた。その結果,効果の大きい教育プログラムであること,責任の所在を明確にすることが必要であること,実際に活動をみることで賛同者を得られることが明らかとなった。つまり,今後,日本において,学校犬の誕生は十分可能であり,改めて「動物介在教育(AAE)」が学校本来の機能を回復させる大きな力となることが考察された。