著者
加藤 勇夫 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.70-86, 2017 (Released:2017-10-30)
参考文献数
14

筆者らは、既報で企業ビジョン達成のための戦略フレームワークとしてマルチ・プログラム・プラットフォームを提案し、オーケストレーションおよび戦略の動的アライメントと、これらを円滑に機能させるための意思決定プロトコルについて説明した。企業の永続的発展のためには、企業ビジョンの継続的革新が必要であるため、本稿では、スーパー・プログラム構造のオーケストレーションが、単に、顧客視点と内部プロセス視点間で相互の戦略同期をはかるばかりでなく、視点間の円滑な意思疎通と動的な戦略整合を促進するために意思決定プロトコルを含意すること、スーパー・プログラムが、企業ビジョン革新のドライバとして機能することについて述べる。
著者
和田 義明
出版者
一般社団法人 国際P2M学会 編集委員会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.38-45, 2016 (Released:2016-11-11)
参考文献数
4

基礎研究や技術を事業に繋げることは、企業の競争戦略の中で重要な要素である。しかしながら、研究開発の初期段階で事業化の可能性や収益性などを問われることがあり、それに答えられずに、死の谷に落とされることがある。ステージ・ゲートは、研究開発テーマを絞り込む手法として考案されたものであり、研究開発の段階に合わせた評価項目で審査する為、研究開発の初期段階で収益性などを問われることがないという長所がある。一方でステージ・ゲートでの評価は管理的である為に、有望なテーマを棄却してしまったり、研究者の士気を損なったりすることが懸念されている。それを解決する手段として考案されたのがブースト・ゲートである。本稿では、企業の研究開発における活用事例を基に、ブースト・ゲートを実践する上での留意点について報告する。
著者
和田 義明 亀山 秀雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.75-85, 2013-02-25 (Released:2017-05-25)
被引用文献数
5

厳しい市場環境の中で、技術的な優位性がある商品や新規性のある商品の開発は、企業にとっての重要なイノベーション戦略である。その為の研究開発プロセスについては数々の研究がなされ、各企業で実践されている。ステージ・ゲート法やPACEは、その代表例であり、多数の研究開発テーマから有望なものを絞り込んでいく手法として優れている。一方で、テーマの有望性が見出されずに、消去されてしまう可能性があることが懸念される。そこで、研究開発を後押ししながら、有望なテーマを引き上げる手法として「ブーストゲート(Boost-Gate)」という手法を考案した。このゲートはプラットフォームの一つであり、組織活性化機能が働いている。本稿では、食品会社K社における実践を通してその有効性について報告する。