著者
小塚 良孝
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.10-18, 2018-10-31

2011年度から外国語活動が小学校で必修になったことなどを受けて、愛知教育大学では2011年度よりeラーニングを導入した。以来、授業の教材や学生の自主学習教材として活用しつつ、eラーニングのより効果的な利用法を模索しているところである。本論では、2016年度後期から導入しているアルク社のNetAcademy Nextの利用状況に焦点を絞り、利用者へのアンケート調査の結果などを基に、その成果と課題を振り返り、より効果的で適切な利用に向けての方策を検討する。
著者
田口 達也 岩田 吉生 小塚 良孝 浜崎 通世
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
no.17, pp.16-23, 2017-10

聴覚障害学生に対する授業経験が少ない(または皆無の)英語教員にとって、手話に頼らないインクルージョン教育方法の開発は大きな課題である。本稿では,海外での研究及び教育実践の文献に基づいて、教員が手話を用いることなく、聴覚障害学生と健聴学生が合同で受講する英語授業において効果的と考えられる具体的な授業運営および指導方法を考察する。特に、(1)授業運営や指導に際しての環境整備や基本的配慮事項、(2)聴覚障害学生に対する教育実践の中から、健聴学生にも有効と考えられる技能別指導方法、とりわけ語彙指導、文法指導、リーディング・ライティング指導、そして音声関連指導、(3)ICT機器の使用方法と教材、の三つの側面に焦点を当て、それぞれに関連する配慮事項や教育実践方法を最近の文献から抽出し、それらを実りのある方法で統合した指導法を探る。
著者
田口 達也
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-9, 2018-10-31

愛知教育大学では、2013年度より共通科目の必修英語授業数が削減され、これによりTOEICスコアで示される英語力の低下が懸念された。過去の研究(田口, 2016)では、この削減による予想通りのTOEICスコアの低下と予想に反しての向上という、相反する傾向の結果が指摘された。そのため、さらなるデータに基づき再検証を行うことが本稿の主目的である。また今までの研究では、英語力と学習自律性の関係にのみ焦点が向けられ研究の広がりがなく、他の視点から英語力について検討をする必要があった。本研究では、2013年度から2016年度入学生のTOEICスコアと関連データを用いて分析を行った。その結果、カリキュラム改変後は、1年前期から2年後期にかけて英語力の低下と維持の傾向が観察され、授業関係の自主学習時間は維持される傾向があることが分かり、また授業関係以外の自主学習時間とTOEICスコアに関連があることが示唆された。さらに、やり抜く力、特に粘り強さという性格特性の程度により、英語力と学習時間に違いがあることも明らかとなった。これらの結果に基づき、愛知教育大学における英語力向上に向けての教育提言を行う。
著者
稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.26-33, 2018-10-31

国際交流会等を実践的な学びの場として活用する方法を模索するために、交流会の立案から実施までを学生が企画するというプロジェクトを実施した。このプロジェクトでは、学生が交流の機会を積極的に活用して学びの場を創ることが目的である。交流相手は英国人研修生で、交流会では、日本文化紹介を中心とした活動を企画・実施した。本稿では、このプロジェクトの教育的効果を学生の活動報告書等を基に考察した。その結果、学生は、1)企画・実行する際に大切なことや考慮すべきこと、2)コミュニケーションは言葉以外でも可能で、伝えようとする気持ちが大切であること、3)より深いコミュニケーションには言語(外国語・英語)が必要であること、4)異文化や自文化について学ぶ意義、5)国際交流は楽しいものであること等を体験的に学んだことが明らかになった。しかし、これらは初歩的な内容なので、さらに学びを深化させていくことが課題である。