著者
髙﨑 三千代 パラストゥティ ロニ 稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 (ISSN:24240605)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.75-83, 2016-03-31

愛知教育大学では、国際交流基金による平成27年度「海外日本語教育インターン派遣プログラム」により、教育学部日本語教育コース1年生1名をインターンとしてインドネシア国立スラバヤ大学へ派遣した。研修を充実したものにするため、双方の大学で連携して指導体制を組み、送り出しから現地での研修、事後の指導までの一連の過程を体系的に行えるような研修プログラムの開発と実践をめざした。プログラムは、「日本語教育研修(教育実習を含む)」「異文化体験」「国際交流・地域交流」の3本の柱を立てて作成した。本稿では、実施したインターン研修プログラム概要の紹介、教育実習の方法、カウンセリング、インターン学生のキャンパス内外での活動・体験に関する報告、プログラム運営面からの報告等を行い、プログラムの役割、成果、課題等を考察した。そして、送り出し側と受け入れ側の双方にメリットのあるプログラムの構築に向けて体制の整備を提案した。
著者
稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.26-33, 2018-10-31

国際交流会等を実践的な学びの場として活用する方法を模索するために、交流会の立案から実施までを学生が企画するというプロジェクトを実施した。このプロジェクトでは、学生が交流の機会を積極的に活用して学びの場を創ることが目的である。交流相手は英国人研修生で、交流会では、日本文化紹介を中心とした活動を企画・実施した。本稿では、このプロジェクトの教育的効果を学生の活動報告書等を基に考察した。その結果、学生は、1)企画・実行する際に大切なことや考慮すべきこと、2)コミュニケーションは言葉以外でも可能で、伝えようとする気持ちが大切であること、3)より深いコミュニケーションには言語(外国語・英語)が必要であること、4)異文化や自文化について学ぶ意義、5)国際交流は楽しいものであること等を体験的に学んだことが明らかになった。しかし、これらは初歩的な内容なので、さらに学びを深化させていくことが課題である。
著者
稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、第一言語と第二言語の物語文の発達過程を比較することにより、創造的発話(物語文)の発達過程、産出に関わる心理的要因等を探ることを目的としている。第一言語の資料は3~11歳までの日本人の子どもと成人から、第二言語の資料は、英語を母語とする初級から上級までの5つのレベルの日本語学習者から収集した。両グループのデータをMacWinney(2000)によるCHILDES、及び、宮田・森川・村木(2004)の日本語フォーマットを用いてCHATフォーマットでデータベース化して、解析した。研究からは、幾つかの両者の類似点と相違点が明らかになった。研究ではその要因を考察した。
著者
稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育創造開発機構紀要 (ISSN:21860793)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-37, 2011-03-31

本稿では、プロセス・ライティングの手法を取り入れて行った日本語科目(留学生対象)の授業方法や指導手順を紹介し、外国語教育における効果的なライティング指導の方法を考察した。「留学の目的及び将来への抱負」をテーマとする奨学金応募のエッセイの作成を取り上げ、初稿から最終稿に至るまでの指導、及び、改稿の過程を分析した結果、「修正したほうがよい理由をはっきり説明する」、「内容に関する簡単な問いかけをする」、「修正方法を具体的例とともに示す」等が指導生のライティング活動を活性化し、内容構成力を向上させる上で効果的なフィードバックの方法であることがわかった。また、指導生は授業を通じて何度も書き直すことの重要性や内容を深める方法を学んだことも明らかになった。