著者
蒔田 純
出版者
弘前大学大学院教育学研究科
雑誌
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 (ISSN:24345628)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.9-21, 2019-03-20

本稿では,中学校社会科公民分野の教科書において,政治,特に民主主義に関わる事柄がどのように記述されているか確認した上で,政治学的観点から見た若干の提案を行う。「民主主義」は「多数者による支配」「多元主義・自由主義」「政治参加」「熟議」の四要素に区分され,それぞれについて各教科書間での共通点と相違点が示された上で,その内容に関して政治学が貢献し得る点が明らかにされる。
著者
中妻 雅彦
出版者
弘前大学大学院教育学研究科
雑誌
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 (ISSN:24345628)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-8, 2019-03-20

実践者である小林朗iは,日本社会科教育学会・歴史教育者協議会などで,「原始人日記」「江戸時代の農民日記」「文明開化日記」(以下,「歴史日記」とする)を生徒に書かせ,議論する中学校の歴史教育実践を発表している。小林は,生徒の現実から,生徒同士が互いに意見を発表し,思ったことや考えたことを自由に言える環境を作り,授業を進めることを考えている。筆者が参観した「歴史日記」の授業分析を通して,「歴史日記」の授業が持つパターン化し,画一化していると言われる「主体的・対話的で深い授業」を越える可能性や生徒が中心となる中学校歴史学習の在り方について考察する。