著者
米川 直樹 鶴原 清志 藤田 匡肖
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:0389925X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.69-86, 1994

青少年のスポーツ活動は、心身の健全な発育発達にとって必要不可欠なものとなるが、他方、その発育・発達の途上にある青少年のスポーツ活動の実態は、勝利志向重視による心身の問題も指摘されている。そこで、青少年の健全な育成の基礎的な段階の時期にあると考えられる若年層に焦点を当て、スポーツ活動が彼らの心理的側面に及ぼす影響について検討することにした。その結果、運動への積極的な参加は、児童達の運動に関わりのある能力についての自己への認知に望ましい影響を示していると考えられた。また、POMSから見た場合、運動量が多くなると元気さや活動力の程度が低く、TEGから見た場合、対象となった年齢層の全体的な傾向としては自己肯定・他者否定のものの見方や考え方をしていること、その中でも運動を頻繁に実施している児童は自我のエネルギーレベルが高いものであった。
著者
鶴原 清志 米川 直樹 日夏 理雄 ツルハラ キヨシ ヨネカワ ナオキ ヒナツ ミチオ TSURUHARA Kiyoshi YONEKAWA Naoki HINATSU Michio
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:0389925X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.23-31, 2003-03-31

An opinion survey was conducted among specialists in sports psychology to determine the relationship between mental training (MT) and sports counseling (SC). One hundred thirty members of the Japanese Society of Sports Psychology were sent questionnaires from the purpose of the survey, from whom 72 completed questionnaires were received - a collection rate of 55.4%. The questionnaires was open ended allowing free responses, such as the question, "What do you think about the relationship between mental training and sports counseling ? ". Responses were classified into five categories and the related content examined. As a result, common understanding among specialists was not obtained about the relationship between MT and SC though the ratio of answers of the category "MT and SC were different" was highest (35. 1%). Thus work may be needed to clarify the role of MT and SC in sports programs, determine their actual utilization, and devise program that enhance mental training of athletes through sports counseling or other means.
著者
荒川 哲郎
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:0389925X)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-6, 1982

人や物とのかかわりが少なかった一精神遅滞児が指導者との経験の共有を積み重ねることで、他者とのコミュニケーション行動を確立していった。特に本児の場合模倣行動がコミュニケーション行動を円滑に進める基盤となったと考えられる。また象徴機能の発達と共に、動作を記号化し、それを道具的に使用し、コミュニケーションすることがみられた。そして他者認識も深まり、コミュニケーションの相手を情況により選択していることがうかがわれた。また、人とのやりとりが内面化され、相手とのコミュニケーションに期待感がでてきた。そして具体的な場面だけにとらわれないで、自己のイメージにより自己のコミュニケーション行動を調節することがみられた。このように言語の諸機能の獲得がコミュニケーション行動の変容過程に認められた。