著者
鋤田 みすず 辻丸 秀策 大西 良 岩永 直美 大岡 由佳 山口 智哉 福山 裕夫 石田 重信 牧田 潔 内野 俊郎 Misuzu Sukita
出版者
久留米大学文学部
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 = "Bulletin of Faculty of Literature, Kurume University. Social welfare" (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-67, 2005-03-31

精神障害を持つ家族(患者家族)と精神障害者とかかわりのない家族(一般家族)を対象に統合失病症に対するイメージと社会的距離を多面的調査から検討を行った.その結果,患者家族は一般家族よりも社会的距離は低く,精神障害に対する知識も豊富であることがわかった.しかし,病気に対する知識は豊富であるにもかかわらず,統合失調症に対するイメージは一般家族と変わらず危険なイメージであった.一般家族は,精神障害者と触れ合う機会がないのが現状であったため,主体的な関係として接触経験を行うことの必要性と,啓発活動や施設の開放化などの積極的な活動が大切だということが考えられた.また,患者家族に対しては,家族のニーズを踏まえた上で具体的な情報を提供していくことと生活の中で活かしていけるようなサポートの必要性を感じた.