著者
津田 彰 牧田 潔 津田 茂子
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.91-96, 2001 (Released:2014-07-03)
参考文献数
40

今日、ストレスは重要な問題である。ここ数年、ストレスが病気の発症に重大な役割を担っていることが論じられている。しかしながら、ストレス反応が身体的疾患や心身障害にどのような影響を及ぼすのかについては、あまり理解されていない。本論文では、病気を左右する要因として、どのようにストレスは重要なのか考察した。また、ストレスは健康-病気の結果をどのように左右するのか、さらにストレスの体験と身体的変化ならびに病理的反応を結ぶプロセスについても検討を加えた。ストレス-コーピング病気罹患性モデルに従い、身体的及び心身疾患の発症における心理社会生物学的要因の役割を明らかにすることを試みた。結論として、健康-病気の結果を繋ぐ主要な2つの過程―すなわち、心理生理学的ならびに認知的-行動的経路―の関与が明らかとなった。今後、さらにこれらの関連性についての検討が望まれる。
著者
鋤田 みすず 辻丸 秀策 大西 良 岩永 直美 大岡 由佳 山口 智哉 福山 裕夫 石田 重信 牧田 潔 内野 俊郎 Misuzu Sukita
出版者
久留米大学文学部
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 = "Bulletin of Faculty of Literature, Kurume University. Social welfare" (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-67, 2005-03-31

精神障害を持つ家族(患者家族)と精神障害者とかかわりのない家族(一般家族)を対象に統合失病症に対するイメージと社会的距離を多面的調査から検討を行った.その結果,患者家族は一般家族よりも社会的距離は低く,精神障害に対する知識も豊富であることがわかった.しかし,病気に対する知識は豊富であるにもかかわらず,統合失調症に対するイメージは一般家族と変わらず危険なイメージであった.一般家族は,精神障害者と触れ合う機会がないのが現状であったため,主体的な関係として接触経験を行うことの必要性と,啓発活動や施設の開放化などの積極的な活動が大切だということが考えられた.また,患者家族に対しては,家族のニーズを踏まえた上で具体的な情報を提供していくことと生活の中で活かしていけるようなサポートの必要性を感じた.