著者
鮫島 達夫 奥村 正紀 濱田 文仁 大西 良 三野原 義光
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.393-403, 2020-07-15 (Released:2020-08-27)
参考文献数
17

電気痙攣療法(electroconvulsive therapy:以下ECT)は,うつ病,統合失調症などで,自殺が差し迫っている症例などで,早急な改善が望まれる場合の唯一無二の方法である.安全性の観点から,麻酔薬,筋弛緩薬を使用する修正型ECT(modified-ECT)が行われている.m-ECTは,一般病院を中心に行われてきたが,最近では精神科病院でも行われる.平成30(2018)年度より,ECTの麻酔管理料の加算が行われるようになった.麻酔科医によるECTの有害事象への対応やハイリスク症例への対応が求められている.今後安全性をより高めるために,精神科と麻酔科,精神科病院と一般病院の医療連携が望まれる.

3 0 0 0 OA Abel函数論

著者
大西 良博
出版者
中央大学理工学部数学科
雑誌
中央大学数学教室講究録
巻号頁・発行日
vol.6, 2013-06-01
著者
大岡 由佳 辻丸 秀策 菊池 哲子 大川 絹代 大西 良 鋤田 みすず 岩永 直美 福山 裕夫
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.47-56, 2005-03

ホームレス問題とは,大都市だけの問題ではなく今や地方都市においても多くのホームレスを抱える事態に陥っている.本稿ではまず,ある地方都市においてDV(ドメスティック・バイオレンス)の行き着く先として路上等生活となった高齢女性に対する,ソーシャルワークの経過を報告する.支援開始に当たって,相談者は,現実に対する絶望から死にたいという思いが出現するが,地域における安心できる住まいの確保,福祉制度を駆使して経済面の保証など,生活環境の整備をしていく中で,心身共に落ち着きを取り戻し安定していったと考えられるケースである.考察では,ホームレスを取り巻く問題(住居問題・健康上の問題・自尊心の問題・関係性の問題・ソーシャルワーカー不在の問題・社会の認識と施策上の問題)を指摘し,ホームレス支援の方向性を模索する.また,ホームレス支援において,国の施策上比重の低い位置にある福祉的アプローチとしてのソーシャルワークの意義と重要性を提起する.
著者
鋤田 みすず 辻丸 秀策 大西 良 岩永 直美 大岡 由佳 山口 智哉 福山 裕夫 石田 重信 牧田 潔 内野 俊郎 Misuzu Sukita
出版者
久留米大学文学部
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 = "Bulletin of Faculty of Literature, Kurume University. Social welfare" (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-67, 2005-03-31

精神障害を持つ家族(患者家族)と精神障害者とかかわりのない家族(一般家族)を対象に統合失病症に対するイメージと社会的距離を多面的調査から検討を行った.その結果,患者家族は一般家族よりも社会的距離は低く,精神障害に対する知識も豊富であることがわかった.しかし,病気に対する知識は豊富であるにもかかわらず,統合失調症に対するイメージは一般家族と変わらず危険なイメージであった.一般家族は,精神障害者と触れ合う機会がないのが現状であったため,主体的な関係として接触経験を行うことの必要性と,啓発活動や施設の開放化などの積極的な活動が大切だということが考えられた.また,患者家族に対しては,家族のニーズを踏まえた上で具体的な情報を提供していくことと生活の中で活かしていけるようなサポートの必要性を感じた.
著者
入交 眞巳 中西 コスモ 渡辺 宏 松浦 晶央 山崎 淳 大西 良雄 甫立 孝一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.721-727, 2011-09-20
参考文献数
11

本研究はペットとして飼われている犬の飼育者に対して,犬飼育に関する意識調査をアンケート方式において行った.青森県内に住む犬飼育者を対象に29の設問のアンケート用紙を動物フェスティバルや動物病院で配布し,471名の犬飼育者から回答を得た.回答者の7割は女性で,年齢は30~40代が多く,家族とともに暮らしている人が9割を占めた.犬飼育の理由としては,自分か家族が動物好きだからが5割以上を占めた.不妊去勢手術に対し75%が賛成しているが,実際に処置している飼育者は4割弱であった.飼い犬に所有者明示をしている人は3割できわめて少なかった.獣医師会や環境省の啓発にもかかわらず,不妊去勢手術実施や所有者明示の割合が少なかったことから,獣医師は地域社会に対しこれまで以上に正しい犬飼育の教育と啓発を行っていくべきである.
著者
中村 啓二 松本 範裕 黒田 晃 小牧 正子 野村 央文 大西 良祐 高瀬 裕章 松村 洋一 永畠 秀樹 橋本 良一 武田 康一 小林 大樹
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.7-10, 2010-03-31 (Released:2017-03-02)
参考文献数
1

「山田錦」並の酒造適性をもち,石川県で安定生産可能な早生品種「石川酒52号」を,「予236(五百万石/フクヒカリ)」を母本,「新潟酒28号(後の「一本〆」)」を父本とする交配組合せから育成した.出穂期および成熟期は,それぞれ「五百万石」とほぼ同じである.稈長は「山田錦」よりも20cm程度短く,収量性は「五百万石」並である.耐倒伏性は「五百万石」にやや優り,穂発芽性は「山田錦」の"やや易"に対して"中",脱粒性は「山田錦」の"易"に対して"難"である.玄米千粒重は「五百万石」並,心白発現率は「山田錦」より高い.試験醸造による酒造適性評価は「山田錦」並に高い.現在,「石川門」の愛称で流通している.
著者
大岡 由佳 辻丸 秀策 大西 良 福山 裕夫 矢島 潤平 前田 正治
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.85-95, 2006-03

10年前の阪神淡路大震災を契機に,本邦においても消防隊員の惨事ストレスによるメンタルヘルスの悪化が論じられるようになってきた.実際,自然災害や火事などが頻発する中で,消防隊員の活躍は目覚ましいものがあるが,一方で,消防隊員の責任や負担は増大しており一般成人と比較して特異なストレス状況下にある.それにも関わらず,本邦では,消防隊員のメンタルヘルスに焦点を当てるようになったのは近年のことであり,消防隊員の全体像を把握し,対策を講じていくには確固とした調査報告が示されていない現状にある.本論文では,消防隊員のメンタルヘルスの全体像を把揺すべく,惨事ストレスを中心に調査を実施した.対象は,A市481名の現役消防隊員で,回答してもらった質問紙に関しては,多角的に統計処理し結果検討を加えた.その結果,消防隊員は,多くの者が職務に従事する中でストレスを感じており,35%の心身の不調と,12.2%のPTSD症状を呈する者が見受けられた.消防隊員の8割が精神的ケアを必要と考えていることからも,消防局はその地域に根ざした惨事ストレス対策を講じていく必要があることが明らかとなった.
著者
大西 良 辻丸 秀策 池田 博章 Ryo ONISHI Shusaku TSUJIMARU Hiroaki IKEDA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.175-182, 2017-03

本研究の目的は、一般市民を対象に質問紙による調査を実施して、「子どもの貧困」に対するイメージや貧困が子どもの成長に与える影響(問題)等に関する認識の実態を把握することであった。調査の結果、市民の約8割が国民の生活水準の低下(貧困化)を感じ、また4人のうち3人が子どもの貧困問題を身近な問題として捉えていることが分かった。また「貧困」に対するイメージについては、「身近」で「怖いもの」という認識を抱いている者が多く、さらに「貧困」が子どもに与える影響(問題)については、「進路選択・進路実現の問題」、「心理(こころ)の問題」、「衣食住の問題」が上位に挙げられた。子どもがごく普通の生活をするために必要な物や事柄(必需品)では、「病気やケガをした際に病院へいく」、「遠足や修学旅行などの学校行事への参加」、「休日等で家族と一緒に過ごすこと」などがすべての子どもに絶対与えられるべきであるものとして上位にあがった。その一方、教育の機会や教育用品に関しては、経済的な理由で与えられなくても仕方がないという意見も多くみられた。このような結果を踏まえて、考察では、「関係性の貧困」と「機会の貧困」が子どもの成長や将来に負の影響を与えることについて述べ、相対的貧困がもたらす本質的な問題について論じた。
著者
山田 真澄 林 康裕 森井 雄史 朴 舜千 大西 良広 清水 秀丸
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 : journal of architecture and building science (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.14, no.27, pp.351-356, 2008-06-20
参考文献数
15

We performed a damage survey of temples and shrines near the source region of the 2007 Niigata-ken Chuetsu-oki earthquake to estimate the distribution of strong ground motions. We constructed a function to estimate peak ground velocity from the damage rank of main hall of temples and shrines, and estimated the PGV distribution in the source region. From our results, the PGV in the most of the Kashiwazaki basin exceeds 100cm/s. This PGV distribution agrees with the PGV estimated from the attenuation relationship and surface soil amplification. The conventional estimation method using the ratio of overturned tombstones underestimates the PGV in the basin.
著者
ポドリヤク ナタリヤ 許 莉芬 大西 良 辻丸 秀策
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.81-88, 2007-03

日本では障害の有無にかかわらず,すべての国民が誰でもその能力を最大限発揮しながら安全にそして安心して,心豊かな生活ができるように,ソフトおよびハード両面にわたり,社会的バリアフリーを推進している.法律では,「障害を理由とする差別禁止」を定め,あらゆる障害について理解して日常生活や事業生活の中で配慮や工夫をすることを呼びかけている.ところが,実際には,社会的バリアフリーについて十分な理解や認識がなされているとは言い難く,障害者専用の駐車場の不正使用に関する苦情はむしろ増えている現状がある.そこで,本研究では,障害者用の駐車場の利用実態を明らかにして,具体的な対応策について検討すること目的とした.調査の結果,以下の点を明らかにした.(1)障害者用駐車場の平均利用時間は,15.39±13.34分であった.(2)利用者の特徴として,50歳代男性の健常者の利用が最も多かった.(3)利用していた車両の約9割に「車椅子マーク」および「駐車許可書」の提示がなかった.(4)高齢者の利用が4割を超え,障害者の利用は2割程度であった.
著者
大岡 由佳 辻丸 秀策 大西 良 ポドリヤク ナタリア 藤島 法仁 末崎 政晃 津田 史彦 福山 裕夫
出版者
久留米大学文学部
雑誌
久留米大学文学部紀要 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
no.7, pp.43-56, 2007-03

2004年12月に当事者・遺族,その支後者が待望した「犯罪被害者等基本法」が成立し,そのなかで多岐にわたる施策が現在検討されつつある.今までの犯罪被害者等の抱える問題は多岐にわたっていたが世間に知られることは少なかった.本稿では,それら犯罪被害者を取り巻く問題点を一次被害,二次被害,三次被害に分けて論じ,今後の被害者支援にかかわる諸団体についての現状と課題について明らかにした.
著者
大西 良 辻丸 秀策 大岡 由佳 鋤田 みすず 福山 裕夫
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-75, 2006-03
被引用文献数
1

本研究の目的は,精神保健福祉現場実習における学生の自己イメージ構造とその変化,さらに自己イメージ形成に影響を与える要因を明らかにすることであった.結果は以下の通りである.実習前の自己イメージとして「社交性」「魅力的」「繊細さ」の3因子が抽出され,実習後では「自主性」「誠実性」「積極性」の3因子が得られた.実習後の3因子は先行研究の精神科医療従事者の自己イメージと酷似しており,学生が実習を経験することで精神科医療従事者の自己理解へと接近していることが明らかとなった.また,ボランティア経験と実習前の「社交性」因子,実習後の「自主性」「誠実性」因子との間で有意な関連性がみられ,ボランティア経験の有無が自己イメージの形成要因になっていることが明らかになった.さらに,教員や友人のサポートが,「自主性」の形成の肯定的要因になっている一方で,有害ストレスが自己イメージの形成の否定的要因であることが明らかとなった.