著者
村田 美由紀
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.55-74, 2013-03-31

社会福祉制度は、社会福祉基礎構造改革を経て、措置から契約へとパラダイム転換がはかられ、利用者主体のシステム構築が進められてきた。社会福祉サービス運営においては、マネジメントの視点が求められるようになってきた。それに伴い、社会福祉士養成課程においても制度改正が行われ、福祉経営教育が重要視されるようになった。そこで、現場実習を終了した学生にインタビューを実施、その結果、福祉経営については具体的な事例を伴った授業での理解度が高く、現場実習を経験することで実践力につながることがわかった。以上を踏まえて、今後の課題としては「科目間連携」、「実習カリキュラムの検討」などが示唆された。
著者
長崎 等
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.171-187, 2004-03-31

現状の大学におけるコンピュータ実習室の環境下において個々の教員の管理可能な範囲(授業のレベル)でも実現可能な、出欠・進捗状況管理支援システムBACHELORを開発した。本システムはコンピュータ室がネットワークで結ばれていることが前提であり、学生がログインしてプログラムを動かすことにより出席遅刻の把握を行う、また課題等の進捗状況の入力により全体の進捗状況を教員側が視覚的に把握できる。更に表計算ソフトとの連携により、出欠管理や進捗状況を分析でき、その情報をフィードバックできる。本稿では実際に現在運用されているそのシステムの目的、構成、機能、授業への運用状況について言及し、様々な大学での運用経験からその問題点や利点を再考し、次期システムに導入するべき内容について検討する。
著者
加曽利岳美
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.106-122, 2005-03-31
被引用文献数
1

本研究は、神経症傾向、うつ傾向などを含む精神的健康に問題のある大学生に見られるバウムテストの特徴を定量的に明らかにする目的で行われた。精神的健康度の指標としてGHQ(General Health Questionnaire)総得点および4要素スケール得点を使用した。バウム指標として、基本的なもの10項目、付加的なもの26項目を使用した。重回帰分析、X2検定、判別分析などにより、以下の結果が得られた。1)「樹冠の高さ」が高いこと、「樹冠の幅」が小さいこと、「主枝」数が少ないことは、「不安と不眠」、「社会的活動障害」、「うつ傾向」、「神経症傾向」を予測する。2)神経症傾向低群では、「地平線」、「用紙からのはみ出し」、「幹の模様」などの出現が多く、神経症傾向高群では曲幹が多い。3)神経症傾向高低群間の判別に寄与する説明変数は、「主枝」、「成長指標」、「樹冠の幅」、「幹の幅/ 樹冠の幅」である。This study sought to quantitatively identify features of the Baumtest in university students with mental health problems including tendency toward neurosis or depression. The indices of mental health were the entire scores and four elemental scales of the General Health Questionnaire (GHQ). Ten basic tree features and 26 additional features were used as Baum indices. Multi-regression analysis, Chi-square tests and Discriminant analysis revealed the following: 1) Higher tree-crown, smaller width of tree-crown and fewer main branches predict anxiety or less sleep, disorders of social activities and a tendency toward neurosis and depression. 2) The Baum features seen in students with a low tendency toward neurosis were horizontal line, drawing out of the paper, and .gures on trunk, whereas a winding trunk was seen in students with a high tendency toward neurosis. 3) The variables to predict a high tendency toward neurosis were the number of main branches, tree-crown width, and tree-crown width-to-trunk width proportion.
著者
森田 麻登
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.305-316, 2012-03-15

本研究は、日本の精神科医療において、伝統的な診断分類と操作的な診断基準の両者が並列的に存在している現状を明らかにした。精神医学領域の各分野からの報告をもとに、伝統的な診断分類と操作的な診断分類の有用性と限界についてまとめた。操作的な診断基準は客観的であり有用な道具であるものの、使い方によっては弊害とも成り得る。一方、伝統的な診断分類は、精神科患者の主観的な体験を理解する手がかりを提供するため、臨床場面で有用である。そこで、操作的な診断名に伝統的な診断分類からの記述を加えることは、患者や家族が精神障害の原因や経過についての理解を容易にする可能性が示唆された。操作的な診断基準は科学性を持ち、伝統的な診断分類は有益性を持っているため、両者をうまく活用することで治療者は多面的に患者を捉えることができ、全人的な医療を進められる。つまり、伝統的な診断分類と操作的診断基準を相対するものとして捉えるのではなく、臨床場面で有益な精神病理学的と研究において有益なDSM 診断と認識し、両者を相補的に用いることが必要である。
著者
海老原 武
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-46, 2009-03-31

2008年6月24日、埼玉県立蓮田高校と共栄大学は高大連携を締結した。蓮田高校は、2010年に埼玉県立菖蒲高校との合併が予定されている。新校では単位制高校となり多様なカリキュラムを採用する。今回の高大連携プログラムは、本学のICT技術を活用し蓮田高校全体をサポートするものである。大学の授業や講演を高校生の進路学習に取り込む従来型の高大連携とは大きく異なるものであり、蓮田高校側からも期待されている。埼玉県立蓮田高校とのICT活用による高大連携プログラムの実践報告と今後の可能性を考察する