著者
大喜多 紀明
出版者
北海道言語研究会
雑誌
北海道言語文化研究 (ISSN:18826296)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.85-104, 2014-03-30 (Released:2016-02-15)

本稿では、アイヌ語を生来の母語としない三名のアイヌ民族(上田トシ・富菜愛吉・違星北斗)による言語資料に関する分析を、アイヌ民族の民俗的修辞とされる交差対句の使用を確認する視点から行った。その結果、本稿で採用したテキストに関しては、交差対句の使用が見出された。このことは、アイヌ民族に特徴的に見出される修辞である交差対句の使用が、アイヌ語を母語としないアイヌ民族へと継承されていることを示唆する知見である。
著者
福盛 貴弘
出版者
北海道言語研究会
雑誌
北海道言語文化研究 (ISSN:18826296)
巻号頁・発行日
no.12, pp.179-189, 2014

2013年8月28日~30日まで、宮崎県都城市を訪れた。方言調査が目的である。アクセントに関する予備調査であった。その時に記述したこと、考えたことなど雑感を示したエッセイである。都城方言については、都城方言は語末音節で高くなる語声調方言であるが、アクセントの下がり目が併用される語があるということを記している。エッセイ
著者
藤田 健
出版者
北海道言語研究会
雑誌
北海道言語文化研究 (ISSN:18826296)
巻号頁・発行日
no.12, pp.121-142, 2014

In Spanish the system of the demonstrative adjectives consists of three elements, este, ese and aquel, while in Italian it consists of two elements, questo and quello. We examine the syntactic distribution of these demonstrative adjectives in the corpus (a Spanish text and its Italian translation, an Italian text and its Spanish translation, and the Spanish and Italian translations of texts written in other languages), taking into account the distributional correspondence between them and the definite article. We observe a close connection between ese and questo, a distant relation between este and quello and a distant relation between aquel and questo, and conclude that these characteristics are caused by the person feature of each demonstrative adjective.