著者
中井 八千代
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.215-222, 2008-09-30
参考文献数
6

レジ袋は, ごみの全体量からみると多くないが, レジ袋を断ることは, 私たち誰もが今すぐできる, CO<SUB>2</SUB> (1枚62g) とごみの発生抑制であり, 次の環境行動につながる第一歩となる。今やヨーロッパをはじめ, 世界中で無料配布禁止の動きが加速している。<BR>日本でも有効な削減手段として, レジ袋の有料化が全国の自治体・消費者・事業者の協力で取り組まれており, 実施店舗のレジ袋辞退率は80%を超えている (全国平均はまだ17~18%) 。<BR>私たち3R全国ネットが昨年実施した全国1万人アンケートの結果でも, 約80%の人が「レジ袋削減のために有料化に賛成」と答え, 有料化は消費者の共通理解を得ているといえるのではないか。<BR>基本は一人ひとりがレジ袋を断ること。削減の意識は高まっている。あとは, 「行動に移すきっかけを作る」意味でも, 有料化の意義は大きいと考える。<BR>自治体の姿勢と, 消費者の協力体制が問われている。
著者
佐藤 忠宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.136-141, 2006-05-31
参考文献数
6

ライフスタイルや消費者意識の変化, 環境問題への意識向上により, 家電製品の顧客ニーズは量の時代から質の時代に入り, 他とは異なった個性を重んじる傾向や所有に拘らない意識が台頭し, 折りしも地球環境問題として持続可能な発展をコンセプトに, モノを所有する時代からサービスや価値を消費する時代へとサービス経済への移行の重要性が叫ばれ始め, 特に, 特定家庭用機器商品化法 (通称家電リサイクル法) の2001年4月完全実施を控え, 消費者の意識変革とリサイクル料金負担義務化を背景に, 2000年10月から消費者にとっても生産者にとっても, 『一石二鳥』の新しい環境ビジネスとして中長期使用の家電レンタルビジネスを開始しました。これは, 使用者の初期費用負担軽減・期間中の修理代無料や廃棄処分費用負担不要の直接効果に加えて環境負荷低減の潜在力をも有し, 資源を無駄にしない循環型社会に結びつく効果が期待されます。
著者
藤谷 亮一
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.201-206, 2008-09-30
被引用文献数
1

地球温暖化を防止するためには, 今の生活スタイルを環境にやさしいエコライフスタイルに変えていくことが必要であるが, レジ袋の削減はその大きな第一歩であり, 大切な足がかりとなるものである。<BR>このため, 平成20年5月に神戸で開催された主要8ヵ国環境大臣会合でもレジ袋削減運動を世界に広げる行動計画が合意されるなど, 国内外でレジ袋削減への関心が高まるなか, 富山県では, 今年4月から全国で初めて県内全域でスーパーマーケットなどのレジ袋の無料配布取止め (いわゆる「有料化」) に踏み切り, 4月1ヵ月間のマイバッグ持参率が93%に達するなど, 多くの県民のご理解とご支持が得られている。<BR>さらに, 県ではマイバッグ持参を一過性のものでなく, 県民生活の中でごく当たり前のライフスタイルとして定着させるため, レジ袋削減推進協議会と連携・協力して, 県民総ぐるみの「ノーレジ袋県民大運動」を展開している。
著者
若倉 正英 清水 芳忠 荻原 瑠 三宅 淳巳
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.382-391, 2007-11-30
参考文献数
9

一般廃棄物処理施設における労働災害の発生状況を, 日本廃棄物処理施設技術管理者協議会が継続的に実施しているアンケート結果に基づいて解析した。廃棄物処理工程での労働災害発生率は全産業平均の7倍以上であり, 安全化の推進は緊急の課題である。廃棄物処理施設別に事故の起因となった設備機器, 作業, 発生原因を, 事故の種類や負傷者の重篤度により分類し, 非定常作業での安全上の問題点, 施設や設備機器ごとの潜在危険性を整理した。また, 労災事故多発の背景にある組織要因や管理運営要因などを明らかにするため, 廃棄物の取り扱いでの典型的な死亡事例について, 根本原因分析を行った。その結果, 廃棄物処理工程では安全の基礎である管理者, 作業者の安全意識の不足が, 事故の根本的な要因であることなどが明らかになった。また, 一般廃棄物処理での労働安全活動が産業廃棄物処理業に比べて, 低調であるなどの問題点も示唆された。