著者
吉岡 敏明 宮城 英徳
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 = Material cycles and waste management research (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.421-428, 2012-11-30
参考文献数
4

2011 年 3 月 11 日,東日本大震災によって発生した災害廃棄物は,地震動により生じた災害廃棄物もさることながら,津波により生じた災害廃棄物が圧倒的に多く,これに津波堆積物も加わり,過去にあった災害廃棄物処理の観点のみからの対応では困難になった。宮城県では,2011 年 3 月に 「災害廃棄物処理の基本方針」 を策定し,処理にあたっての基本的方針を示したのを皮切りに,災害廃棄物処理指針や宮城県災害廃棄物処理実行計画等により,災害廃棄物については分別・破砕等の処理により可能な限り再資源化を図る計画や,その時々の災害廃棄物の推計量を発表してきた。これまでどのように災害廃棄物処理等に取り組んできて,このような状況下になっているのか,また,今後どのようにしてがれきを処理していくのか,震災直後から現在までの被災現場での状況を再確認しつつ,災害廃棄物処理の現状と課題を中心にして,今後の方向性について述べる。