- 著者
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安藤 俊幸
- 出版者
- 一般社団法人 情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第13回情報プロフェッショナルシンポジウム
- 巻号頁・発行日
- pp.139-144, 2016 (Released:2016-11-17)
- 参考文献数
- 17
機械学習を利用した効率的な特許調査方法を実務ベースに重きを置いて検討した。特に動向調査と先行技術調査への機械学習の応用に関して実務上どこまで使えるかを念頭に検討した。
機械学習を大別すると教師データなし学習と教師データあり学習がある。教師データなし学習の一つの技法としてクラスタリングがある。動向調査の一例として人工知能分野で全体の俯瞰可視化から技術動向を抽出する方向で行った。俯瞰可視化として特許公報間の類似度を用いたクラスタリング検討を行った。
教師データあり学習の先行技術調査への応用として即席麺の直近10年を母集団として検討した。教師データとして審査官が拒絶理由に採用した文献の中から拒絶理由の条文コードを利用して新規性(カテゴリーX文献)、進歩性(カテゴリーY文献)欠如に該当する文献を選択して使用した。
動向調査への応用は従来からよく行われている書誌事項の統計解析(パテントマップソフト等)と併用することで実務上十分に有用である。先行技術調査への応用検討では網羅性(再現率)は母集団を大きくして対応するとしても精度(適合率)と学習コスト上(教師データの準備、学習の手間等)課題があり詳細に報告する。