著者
福嶋 政期 梶本 裕之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 = IPSJ SIG technical reports (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.128, pp.A7-A8, 2008-05-21

2008年4月5日から10日の6日間、ACMSIGCHIが主催する国際会議CHI2008(Conference on Human Factor in Computing Systems)が開催された。CHIはHuman-Computer Interactionに関する最高峰の国際会議である。今年は、ルネサンス発祥の地として名高いイタリアのフィレンツェで開催された。フィレンツェは、町の至る所に美術館、教会、石像等があり、また、屋根は赤褐色で統一されており、町全体が一つの美術館のようであった。会場は、「バッソ要塞」(図1)と呼ばれる五角形の大建築物であった。今年の参加登者数は約2300人であった。会議内容の統計は以下通りである。全採択数は582件(全投稿数1969,採択率29.56%)、論文発表は157件(投稿件数714件,採択率22%)、ショートトーク61件(投稿件数341件、採択率18%)であった。なお、全投稿件数はこれまでで最多であった。6日間のうち初めの2日間はプリカンファレンス(Workshops, Doctoral Consortium等)であり、残り4日間がテクニカルプログラムであった。会議初日にはIrene McAra-McWilliam氏によるOpening Plenary、また、最終日には、Bill Boxton氏によるClosing Plenaryが行われた。会議は、毎日朝にその日のセッションの発表者が30秒で自分の発表の広告を行うCHI Madnessというイベントが行われた。その後はPapers/Notes, Case studies、Panel等に加え、デモ展示、企業展示、ポスター発表なども平行して行われた。筆者にとって初めての国際学会であったこともあり、休み時間の間は常にプログラムと睨みあっていた。また、3日目の夜はMicrosoft, Google等のHospitality Events(図2)が行われた。イベント会場内は多くの人で溢れかえっていた。個人的な話で恐縮であるが著者はMicrosoftのイベントでの抽選でZune(80GB)を頂いてしまった。今年は、ベストペーパー7件、ベストノート3件が選ばれた(プログラムの24ページに記載されている。http://www.chi2008.org/program.html) 。