著者
梅田 恭子 山本 苑佳
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 The journal of the Teaching Career Center (ISSN:24238929)
巻号頁・発行日
no.5, pp.107-112, 2020-03-09

本研究では、児童がプログラミングで作品を制作する設計段階において、どのように児童のアイディアを外化することがプログラミング的思考を育成する支援を行いやすいのかを、実践を通して検討している。具体的には、児童は設計シートを用いて、プログラミングをする前に、必要な動きを分けて考えたり、動きに対応した命令にしたり、それらを組合せたりすることを考える。本稿では、その中でも特に組合せ(順次・反復・分岐)に着目し、文章やフローチャートなどの表現の違いによって、設計シートや作品での組合せの正確な表現に違いがみられるかを検討することを目的とする。その結果、一部においてフローチャートを用いた方が設計シートの段階では正確に表現できていることは示唆されたが、作品では差は見られなかった。また、設計シートの表現の種類に関係なく、設計シートが正確に書けている群の方が、作品の完成度も高かった。これらの結果と実践を踏まえて考察を行った。
著者
厨子 健一
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 The journal of the Teaching Career Center (ISSN:24238929)
巻号頁・発行日
no.3, pp.35-44, 2018-03-31

本研究はこれまでのわが国におけるSSW研究の動向を確認し,今後SSWが発展していくための課題を提示することを目的とする。論文タイトル284本を対象に,テキストマイニングの手法を用いて分析を行った。結果,頻出150語から,「スクールソーシャルワーク」「スクールソーシャルワーカー」「学校」「教育」「支援」「実践」が上位に挙げられた。共起ネットワークにおいては,主に【他専門職との関係】【SSWer が必要とされる領域】【SSW実践】にまつわるカテゴリーが抽出された。対応分析から,現在は,SSWの現状,効果,全国実態に目が向けられていることが明確となった。以上より,①SSWer の専門性をより焦点化した研究の必要性,②SSWerが必要とされるさまざまな領域におけるアプローチ法の提示,③教育委員会担当者による事業設計・運営の可視化,④実践する上での困難要因およびその対処方法の明確化,4点の課題を指摘した。
著者
新山王 政和 小瀬木 崇
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 The journal of the Teaching Career Center (ISSN:24238929)
巻号頁・発行日
no.4, pp.113-121, 2019-03-31

一連の研究では、偶然性に依拠したり機器に頼って音符並べをしたりする「音楽づくり(創作)」ではなく、まず自らが表したいイメージを定め、そのイメージに向かってICレコーダーと鍵盤ハーモニカを用いながら音楽づくりを創意工夫する活動を模索している。そのうち南山大学附属小学校で試行した河田愛子教諭による研究授業は、愛知教育大学研究報告第68輯に於いて報告する。(1)そして本報告では春日井市立勝川小学校で試行した小瀬木崇教諭による研究授業について報告するが、注目したい点は「旋律をつくる→"合いの手"に合うように旋律を手直しする」という二段階で試行錯誤を深めさせたことである。研究授業の計画に先立ち、実践協力者には次の5つの条件を提示し、これを考慮してもらった。①音楽づくり(創作)の活動は、音楽の諸要素と曲想との関係を感じ取る鑑賞と組み合わせて行う。②ICレコーダーを用いて振り返ることで、思考を伴った試行錯誤を積み重ねながら音楽づくりを深める。③2人組のペア学習、さらにペア2組で聴き直しながら対話的な活動や学び合いを深めていく。④ICレコーダーの有用性と効果的な活用方法、教師による声掛けやアドバイスの効果を検証する。⑤児童自らが音を出す楽器を使用し、並べた音符をPCやタブレットに演奏させる方法は用いない。試行実践の結果、音楽づくりの活動に於いても、音楽の"よさ"に気付き自分なりの"解"を追究するためにICレコーダーが有効なツールになり得ることがわかった。しかしその効果は教師による働きかけを伴うことで発揮され、子供に持たせるだけでは十分な効果を得られないことも確認した。
著者
榊原 智子 片山 悠樹
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 The journal of the Teaching Career Center (ISSN:24238929)
巻号頁・発行日
no.6, pp.131-138, 2021-03-26

本稿では、「起業家育成」に着目し、企業の課題であった「起業」が、大学生や大学を巻き込んだ「起業」へと変化していく様子を描き出す。具体的には、「起業」と「学生」が関連する新聞記事を主な調査データとして、言説分析を行った。本稿の主な結果は、次の3つである。①「起業家育成」は、1980年代に企業内で取り組まれており、「社内起業家育成」という表現が観察された。② 2000年代あたりから「社内起業家育成」ではなく「学内起業家育成」と表現され、「起業」は大学の役割のひとつであるという認識があらわれた。③ こうしたなか、大学生の起業家志向が現実的な課題として示されている。本稿は、「起業家育成」に関する企業社会の言説を分析することで、大学生を取り巻く教育や雇用への認識の変化を捉えることを試みた研究と位置付けられる。