著者
盛合 秀 折橋 裕二 佐々木 実 沼田 翔伍 浅沼 尚 平田 岳史 淺原 良浩
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.168, 2021 (Released:2021-12-15)

本研究では檜川層の模式地である檜川流域およびその周辺域と西岸域(仏ヶ浦を含む福浦〜牛滝・野平の地域)に分布する珪長質火山岩および火砕岩について地質調査を行い,檜川層層序の再検討を行った.また,新たに縫道石山の石英斑岩についてU-Pb年代測定を行った.野平盆地は地形的に二重の盆状構造を呈しており,負の重力異常分布域(広島ほか,1989)からも示唆されることから,約 4 Maに浅海域で形成された「仏ヶ浦カルデラ」(新称)と約 2 Maに陸域で形成された野平カルデラ(根本・箕浦,1999)が重複していると考えられる.今回新たに得られた縫道石山・石英斑岩のジルコンU-Pb年代は4.7 Maであり,これら石英斑岩は仏ヶ浦カルデラ形成前のリング・ダイクと推定される.
著者
小菅 正裕
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.180, 2021 (Released:2021-12-15)

地殻内で発生する低周波地震は,地震の規模から期待されるよりも顕著に低い低周波の地震波を放射する例外的な地震である。その特徴と,発生場所が主に下部地殻であることから,通常の地震のような断層のずれではなく地殻流体が関与して発生すると考えられているが,発生メカニズムは完全にはわかっていない。低周波地震の波形の特徴として,S波の後に長時間続く振動がある。波動のシミュレーションによれば,そのような振動は地震波速度の低速度域内での波動の共鳴で説明できる可能性がある。最近発見された地殻浅部低周波地震は通常の地震と同じ深さで発生しているので,低周波となることの要因の解明は,地震発生メカニズムそのものの解明につながる課題である。
著者
益田 晴恵
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.124, 2021 (Released:2021-12-15)

地球内部に起源を持つヒ素と水銀の地質学的循環に伴って発生する地下水・土壌汚染について概説する。ヒ素と水銀は火成作用に伴って、マグマやマグマ性流体とともに地殻・水圏・大気圏に移動する。ヒ素は新生代堆積物にも深刻な汚染が発生してきた。降下火山灰と流域母岩に含まれる熱水性・マグマ性のヒ素含有鉱物の溶解が主な原因である。一方、水銀は気体として振る舞う性質が強いことから、大規模な断層に沿って土壌ガスとして地表に放出されることがある。大阪平野の境界断層である、生駒断層・上町断層・内畑断層系の直近で、水銀を含む浅層地下水や土壌中での水銀の濃集が観察される。水銀汚染地下水出現地点は深部低周波地震の震源と重なることも多い。また、和泉山脈では、MTL直近で最大の1200ppbの水銀が検出された。水銀は有馬型塩水と類似の起源を持つことが強く示唆される。